2016年2月29日月曜日

第24回イベント『届け演歌の風!岡 大介 カンカラ三線ライブ』関連情報(直前ライブ情報@札幌など)


俳句集団【itak】事務局です。
 
第24回イベントにご出演の岡大介さんのカンカラ流し情報が入ってきました。
【itak】の前日、3/11(金)の夜、札幌の繁華街を投げ銭で
流しています。
当然ながらお食事・お飲み物は別途です。お好きなものをオーダーください。
イベントのライブとはまた一味違うアクティヴィティをお楽しみください。


①3/11(金)午後7時半~9時、も~り~処 才谷屋
  南3西5三条美松ビル三階

②3/11(金)午後9時半~10時半、くぬぎ酒房
  南5西3Nグランテビル地下

③3/11(金)午後11時~零時、えぞまつ
  南西5すすきの5・5ビル2階
 
イベント当日はおこしいただけない方、金曜の夜遊びに行く先をお探しの方など、どうぞ各店にて岡大介のカンカラ流しをお楽しみください。もちろん追っかけもwelcomeです!

また3/12(土)イベント当日は懇親会場にて、投げ銭ライブを行います。
貸し切りではありませんので、当日夜にひょいとお時間が空きましたと仰る方は、ご遠慮なく一般のお客様として遊びにいらしてくださいませ。もちろん投げ銭&リクエストもOKです。
 
④3/12(土)午後5時半~19時半、粋な居酒屋ちりとてちん
  南7条西4すすきのプラザビル地下1階
 

そして当日午後1時からは文学館でカンカラ三線ライブと句会をお楽しみください。
絶賛ご参加受付中です!


*と き 平成28年3月12日(土) 午後1時~4時50分
*ところ 北海道立文学館講堂(中央区中島公園1-4)
*参加料 一般500円、高校生以下無料

● 第1部 ライブ
 『届け演歌の風!岡 大介 カンカラ三線ライブ』
  カンカラ三線・演歌師  岡 大介 

岡大介HP http://okataisuke.web.fc2.com/
岡大介のお酒のめのめブログ・フォークシンガー岡大介の酒と唄のあれこれ


● 第2部 句会(当季雑詠2句出句・投句締切午後1時)
● 懇親会のお申し込みもお受けしております(なんとなく4周年記念も兼ねてます)。

詳細お問い合わせはEメールitakhaiku@gmail.comへ。

 

2016年2月26日金曜日

~第6回文芸誌甲子園受賞誌の発表がありました~


俳句集団【itak】です。
うれしいニュースが入ってきました。

第6回文芸誌甲子園(富士正晴全国高等学校文芸誌賞)において、北海道札幌琴似工業高等学校の文芸部誌「風花舞 第29号」が全国二席、優秀賞を受賞しました。

「風花舞」は第23回イベントでも皆さんにご覧いただいた文芸部誌で、内容の篤さはみなさんもご存知の通りです。
この他道内では北海道札幌東高等学校の文芸部誌色々 第三十一号が奨励賞を受賞しています。

「富士正晴全国高等学校文芸誌賞」は徳島県三好市が主催運営する同人雑誌の大会で、高文連、俳句甲子園などに並ぶ全国的なものです。
各校文芸部の創作等活動記録、研究発表などが盛り込まれ、装丁やレイアウトなども各校それぞれのセンスでまとめられた文芸誌は、高校というこの年代ならではの感性に満ち、甲乙つけがたい内容だったのではと思います。

そんな中でも琴似工業高校が毎年連続して首一つ抜けた結果を出すことができたのは、顧問の先生の熱心なご指導と、部員一人一人が部活に精一杯取組み、学内外での経験の機会を積み重ねてきたからでしょう。俳句集団【itak】も、この経験値のひとつに入っていることを誇らしく思うとともに、今後の活躍にも更なる期待を寄せたいと思います。

授賞式には顧問の佐藤啓貢先生の引率で【itak】でもおなじみの村上海斗君が出席するとのこと。北海道と四国はとても遠い場所ですが、北ではお目に掛かれないさまざまなものごとや季語に出会う素晴らしい旅となりますようお祈りいたします。


俳句集団【itak】幹事会一同

2016年2月24日水曜日

~まる裏俳句甲子園に初挑戦~ 北海道チームの松山奮闘記④


~まる裏俳句甲子園に初挑戦~
 
北海道チームの松山奮闘記④


天野 浩美


  2016年1月10日、まる裏俳句甲子園。軽いノリで行ってまいりました。
 そもそも8年くらい前に、実は松山=俳句の街ということで、一人旅を決行。道後温泉に浸かりぷらぷらしていたら、まる裏俳句甲子園告知のポスターを見つけ、一人で行っていて・・・その時は参加するなんておそれおおいことと、考えずに見る側だったんですがね・・・今回は参戦しちゃいましたよ。本当は応援するだけのつもりだったのですが、高い旅費をかけていくんだからと友達にも説得されて。

 もう立てぬ犬の瞳に雪はげし

 たしか8年前、こんな俳句を詠んだ方が居て印象に残っています。

 今年の印象句は

 雪の道泣くために行く映画館

です。みなさん短い時間で本当によく俳句を作られる。感心しました。
 
 雪の道踏切数多越えしこと   浩美

 一句参戦で終わりましたが北海道の他チーム、itakしばれーず(牛後さん、葉子さん、透子さん)が予選上位8チームに残り、壇上での熱いディベート合戦。わたしとしては十分楽しませてもらいました。
宝籤じゃないけれど、やはり買わないと楽しめない。参加してこそのまる裏俳句甲子園でした。

 次の日は、松山俳句の会の方たちのガイド付きで松山城の見学。
 松山の方は俳句をする人にとても親切。たくさんの知り合いも増え、天気にも恵まれ、食べ物は美味しいし、いい旅でしたよ。来年もまた・・・なんて、ちょっと考えています。
 みなさんも、来年一緒に裏俳に行きませんか?
 
 
 天野浩美(あまの・ひろみ 「鷹」所属) 記

2016年2月22日月曜日

~まる裏俳句甲子園に初挑戦~ 北海道チームの松山奮闘記③


~まる裏俳句甲子園に初挑戦~
 
北海道チームの松山奮闘記③

久才 秀樹
 
松山には至る所に句碑がある。句碑などをめぐった一行
 大会翌日の11日は、地元「いつき組」の方々が松山散策を計画してくれました。観光ボランティアガイドの経験があるという宇和島の「しんじゅさん」の説明を受けながら、俳都松山の名所を巡りました。
 
◆至る所にある句碑
 
急な石段を登らなくてはならない
伊佐爾波神社
 集合場所は、路面電車の道後温泉駅を降りてすぐの「からくり時計」前の広場。まる裏会場の松山市子規記念博物館も近く、足湯もあり、観光客でにぎわっている場所です。広場には、野球のバットを持ち、ユニフォーム姿の正岡子規の銅像が。松山は、とにかく至る所に句碑があり、集合場所の広場にも「まり投げてみたき広場や春の草」「生垣の外は枯野や球遊び」(子規)「春風やふね伊豫に寄りて道後の湯」(柳原極堂)などの句が見られ、散策前から俳句ムード満開といった感じでした。
 まず向かったのは、伊佐爾波(いさにわ)神社。神社は、135段もある急な階段の上にありますが、ここは、【itak】にも参加してくれたことのある堀下翔君(筑波大)らが、学生俳句チャンピオン大会(NHKでも放送されました)の俳句バトルで上り下りしていた階段です。息を切らせながら階段を登り、ようやく社殿に到着。おみくじを引いたり、名物の鳩笛を買ったり、少し遅めの初詣となりました。

宝厳寺にある
黒田杏子さんの句碑
 神社の裏から坂を下りると、一遍上人の誕生地といわれる宝厳寺(ほうごんじ)に着きました。2013年8月に火災があり、残念ながら、国の重要文化財だった木造一遍上人立像も焼失してしまったそうです。本堂などは再建工事中でしたが、ここにも句碑がありました。「色里や十歩はなれて秋の風」(子規)、「稲光一遍上人徒跣(いなびかりいっぺんしょうにんかちはだし)」(黒田杏子)。
 
中村草田男のお墓
 子規も詠んだ色町のあった坂を下り、「湯の大地蔵」と呼ばれるお地蔵のある圓満寺を訪問。火除け、延命長寿、恋愛成就、夫婦円満と御利益の多い大きなお地蔵さまが鎮座していました。境内に俳句仕様になっている絵馬が並んでいました。「これからも〇〇〇と一緒紅椿」「椿山〇〇〇家ずっと幸せに」。〇〇〇の中に名前を書き入れて、奉納されていました。名前を埋め込む絵馬は、俳人の神野紗希さんが考案したものだそうです。

 その後、道後温泉本館、湯神社に続き、市営墓地の道後鷺谷(さきだに)墓地を案内されました。なぜ墓地に? この墓地には、『坂の上の雲』の主人公のひとり、秋山好古のほか、俳人中村草田男も分骨され、墓地があるとのこと。観光ブックには載っていない俳人穴場のスポットでした。
 
 道後温泉のホテルのレストランで昼食を取り、午後からは松山城を観光。城内では梅の花が数輪、咲き始めており、山茶花や椿も咲きているなど、早くも春の季語があふれていました。松山城で散策は終了。しんじゅさんを始め、散策を企画していただいた「いつき組」のみなさんには本当に感謝感激です。
 
 
◆「ヘタ俳人の聖地」へ
 
 同日の夕食は、メール句会でお世話になっている更紗さんらとともに、愛媛の郷土料理のお店へ。じゃこ天や鯛のお刺身、宇和島の郷土料理「ふくめん」(千切りのこんにゃくの上に、白身魚のそぼろやミカン、葱などが盛りつけられたもの)を堪能。お腹も一段落ついたところで、袋回しの句会も楽しみました。お酒の入っていない人もいたせいか、かなり真面目な?句が多かった気がします。われわれが普段、泥酔状態で行っている「袋回し」も一度、見せたいなと思いました。

 二次会は、市街地から車で15分ほどの「まるやす食堂」へ。店主のママは俳号「のり茶漬け」さんという俳人。店も「ヘタ俳人の聖地」と看板を掲げているように、夜な夜な俳句仲間が集まるそうです。この日もすでに2人の俳人のご婦人がおり、さらにもう1人、いつき組の方が顔を出していました。札幌にもこんな店があればいいのになあと思いながら、締めのウドンを美味しくいただきました。
 
 松山の旅・最終日の12日は、夕方の飛行機に乗る前に最後の松山観光。まずは、松山市駅から歩いて5分ほどにある子規堂へ向かいました。正岡家の菩提寺である正宗寺境内にあり、子規が暮らしていた家を復元した建物がありました。子規直筆の原稿や勉強部屋、愛用の机などが展示され、小さいながら見応えのある史料が並んでいました。
 子規堂の外には、たくさんの花をつけた椿の木があり、「寒椿」との名札もぶら下がっていました。さらに境内の正面には大きな石碑があり、よく見ると、子規が大相撲の秋場所を詠んだ句「秋晴れて両国橋の高さかな」とともに大きな「道」という一文字。北海道が生んだ元横綱千代の富士(九重親方)が、揮毫したものとの説明がありました。「寒椿」と「道」・・・・・・・・・・・・・・・。今回のまる裏大会で出された席題そのものではないですか!! 大会前に来るべき場所だった――と軽くショックを受けましたが、俳都松山を満喫した「まる裏」の旅となりました。
 
子規堂にある石碑。予選の席題「道」の文字が・・・・・・
 
 
 【itak】幹事・久才秀樹 記
 

2016年2月20日土曜日

~まる裏俳句甲子園に初挑戦~ 北海道チームの松山奮闘記②

 
~まる裏俳句甲子園に初挑戦~
 
北海道チームの松山奮闘記②
高畠 葉子
 
 北海道から初参加となった高校生以外も参加できる第14回高校生以外のためのまる裏俳句甲子園。牛後さんの予選レポートに続き、決勝トーナメント(決勝T)の舞台裏などを葉子がお伝えします!

◆1回戦の席題「寒椿」

 決勝Tの舞台に立つ。これが、私たちの第一目標だった。決勝Tから文字通り「舞台に立つ」のである(予選は、壇上には夏井組長とアシスタントのアナウンサーだけで、参加者は会場のパイプ椅子で観戦。決勝Tになってから、舞台上での赤白対戦となるのだ)。
 何せ俳都松山。いつき組の組員ら名だたる俳人がずらりと勢ぞろいしている。全国規模の俳句賞受賞者も数々いる中で「イタックしばれーず」の決勝T進出は快挙である!と言って良いだろう。だが、この自画自賛気味の思いは数分後に凍りつくような汗を流すことになるのだった。まさにチーム名の通り「しばれて」しまうのだ。(※「しばれる」東北、北海道の方言で酷く寒い、凍りつくの意)。

 予選を1位通過したことに気を良くした私は「お昼は何を食べようか~♪」なんて事を考えていた。会場近くにある老舗旅館でランチしながら午後に備えよう!・・・と透子さんを誘ったりしている。まったく暢気なものだ。

 予選が終わった直後に、午後からの決勝Tの席題が発表された。
1回戦『寒椿』、2回戦『写』、3回戦の決勝は『雪』であった。
 後ろの席には優勝のチーム「ラ・サエズリ」の三人様。さっそく準備に取り掛かっているらしい。このお三方の名前と俳句は何度か目にした事がある。蜜柑農家の若奥様方で生活に根付いた句を発表されている。季語の現場を表現される実力者たちだ。私の様子に見かねたのか声をかけて下さった。「これから決勝の句を30分で作るんですよ」と。優しい笑顔と声だった(ここで私はなんと優雅な振る舞いと声なのだ!と感激した)。ところが浮き足立っている私はどうやら正しく情報処理するネジがぶっ飛んでいたらしい。それでも、30分しかないのなら、外でランチするような場合ではないことには気づいた。惜しくも予選敗退した道内勢の「北の国から」のメンバーが買ってきてくれたオニギリをほおばりながら「寒椿・・・寒椿・・・寒椿・・・」。2回戦は、「写」だって? 「雪」もちょっと準備しなきゃね、でも今は「寒椿」を考えなきゃ――と少し余裕の「イタックしばれーず」の3人であった。


◆しばれる「しばれーず」

決勝Tの壇上であいさつする
イタックしばれーずのメンバー
 「3句できた?」。メール句会などで交流があった地元愛媛の「宇和島じゃこてん句会」の更紗さんが様子を見に来て下さった。浮き足立っていた3人は、ここでようやく正確なルールに気づいた。寒椿だけではなく、決勝Tの3題=3句をまとめて、提出しなくてはならなかったのだ・・・。
 主催者の方が「残りあと5分ですよ・・・」と知らせにやって来る。ここで、温暖な松山・道後温泉で「イタックしばれーず」は正真正銘しばれてしまったのだ! もう推敲だとか言ってる時間じゃない。用紙に十七文字を書き込むしかない。とにかく手元にある用紙に3句を書き込まなくては! 書く書く書く! 『写』と『雪』の句も書く! ただただ、文字を書き込むのが精いっぱいだった。終了のアナウンス時には最後の2文字に「けり」を書いていた気がする。実はどんな句を書いたのか記憶がないのだ。私の場合、実質、最後の5分で2句作ったわけだ。


決勝Tではディベートが行われる。
左は1回戦の対戦相手「三日月T」
 とにもかくにも3人とも何とか用紙を提出し、呆然とするイタックしばれーず。
名は体を表す――とはよく言ったものだ!と感心したりしている。ナイスネーミングではないか。今では笑えるがこの時は「あの酷い句を晒されるなんて耐えられない・・・」などと心配していた。冷静になって考えれば、トーナメント戦だから、1回戦(寒椿)で勝たなければ、2回戦「写」の句もお蔵入りなのだ。それすら考え及ばないほど混乱していたのだ。

3試合目はイタックしばれーずの
白旗が3本上がった

さて、決勝Tは、それぞれ3人の句を披講し、ディベートを行う。5人の審査員が句とディベートの出来を判断して旗を上げて判定する。3試合中2試合取れば勝ちである。1回戦の対戦相手は「三日月T」。過去数回の優勝経験のあるチームだ。
 三日月Tさんの句は、第1試合「寒椿鉄門の勘兵衛石」、第2試合「薬莢の余熱匂うや寒椿」。ともに格調高い句だ。すごいと思うばかりだが、ここはディベートの場である。だがどこを攻めてよいのかさえ分からない。短時間での鑑賞力もまた必要なのだ。私は間抜けな質問を繰り返すばかりだった。「季語は動きませんか?」と。私は内心「動かないわぁ。寒椿で決まりだわぁ」と思いつつ発言していたのだ。だって他にどう攻めていいか思いもつかないのだから。

最後は【itak】の宣伝も

 結局、1試合、2試合とも連続で落として、1回戦敗退が決定。勝負が付いたため、3試合目はディベートを行わず、すぐに判定となったが、3対2で「しばれーず」の旗が多く上がった。何とか面目は保つことができ、試合後のあいさつでも、【itak】を宣伝することもできた。

ちなみに「しばれーず」の決勝句は・・・




 人の世に人ちりばめて寒椿  (牛後)

 赤裸々な告白寒椿のごと   (透子)


 泣き言は嫌い長女の寒椿   (葉子)



◆北海道の「雪」の句を

 その後の試合は、清清しい気分で観戦できた。同じ条件で詠んだ句のはずだが、どのチームも完成度が高い。やはり松山は俳句の基礎体力が高いのだ(松山市内だけではなく、愛媛県全域から来ているのだが、そのチームもレベルが高い)。また、まる裏俳句甲子園はお祭りではないと改めて感じた。短時間に、季節を感じ、季語に託して表現する。表現するための鑑賞。これを切磋琢磨しあう場なのだ。それも楽しく!


打ち上げの締めは「575拍子」で!
 大会が終わり、夜には市内のすし店にて打ち上げも用意されていた。夏の俳句甲子園の際には控室として提供されているお店だそうで、定期的に店で句会も開かれているそうだ。打ち上げの席では「まつやま俳句でまちづくり会」前代表の「あねご」さんとお話をした。あねごさんとは以前からメール句会などでご一緒していたが、お会いするのは初めてだ。毎回ていねいな鑑賞を寄せて下さる方だった。あねごさんは「これから、北は北海道、南は九州からの参加者があると言えるわ!」と私たちの参加を喜んで下さっていた。私にとっても「まる裏」は憧れの場だったが、これからはただ憧れる場ではなく参加することのできる場であると広めたい。最後は、夏井いつきさんが講演していただいた際の【itak】でも披露した「575」拍子で打ち上げを締めた。

 とんだドタバタ劇ではあったが楽しい思い出となる大会だった。松山は確かに遠い。旅費もなかなか高い。それでも俳都松山は魅力的だし、多くの俳人との出会いはこれからの俳句生活にも大きな糧となるに違いない。決勝戦のお題は「雪」と決まっている。会場で出会った多くの人から「北海道の雪の句を楽しみにしていたよ」と言われた。残念ながら今年は発表するに至らなかったが、いつか「これが北海道の雪の句だーーーー!」と言える日が来ることを信じている。

追補:ランチで食べようと思っていた「松山鮓」はとうとう食べる事ができなかったし、道後温泉では足湯さえつかる事ができなかった。これはまた行くしかないね!という訳で、北海道に戻ってさっそく五百円玉貯金箱を買ったのであった。

 【itak】幹事・高畠葉子 記




2016年2月18日木曜日

~まる裏俳句甲子園に初挑戦~ 北海道チームの松山奮闘記①

 
 高校生以外も参加できる俳句の大会第14回高校生以外のためのまる裏俳句甲子園が1月10日、愛媛県の松山市立子規記念博物館で開かれました。今回、俳句集団【itak】幹事ら5人が北海道から初参加。俳都松山に乗り込んだメンバーの奮闘記を紹介します。 
 
 
~まる裏俳句甲子園に初挑戦~
 
北海道チームの松山奮闘記①
 
鈴木 牛後 


まる裏俳句甲子園の会場となった松山市立子規記念博物館
 

◆夏井さんがきっかけ

 昨年の5月、いつき組の夏井いつきさんが来道して【itak】のイベントに出演してくださった際、いつきさんと五十嵐秀彦【itak】代表の対談が組まれた。対談の中で、東京から遠く離れ、地理的には周縁とも言える北海道と四国で同じように結社の枠を超えた取り組みが行われているということに、2人が意を強くしていたことが印象的だった。
 このイベントの中で、いつきさんから「北海道からもぜひ『まる裏』へ」という熱心な誘いがあり、仲間内で気運も盛り上がってきたことで、(ぼくにとっては)思い切って四国への大旅行を敢行することになったのである。
 
 生きものを飼っている酪農家という職業柄、家を空けるというのはなかなか思い切りが必要だ。牛が重篤な病気にでもなればキャンセルしなければならない。それに加え、冬の北海道では吹雪による飛行機の欠航も茶飯事で、つまり運がよくなければとても四国などには行けないのである。
 
 こういうときによく「日頃の行い」などと言われるが、まあそういうことでもあったのか、何事もなく飛行機は松山空港に着いた。当たり前だが暖かい。
 ぼくが道北・下川町のわが家を出発した9日午前10時、気温は-6.3℃。松山に着いた午後4時は、プラスの8.7℃だった。ぼくの妻は本州の出身なので、この気温差は初めての体験ではないが、こんなところで暮らせたら幸せだろうと心底思う(冬限定ではあるかもしれないが)。
 
◆ハイポニストの熱気


 到着した日の夜は、松山のホテルで「俳句ポスト365」のオフ会。「俳句ポスト365」は松山市が主催するインターネット上の投句欄で、選者は夏井いつきさんが務めている。ぼくはそれほど熱心な投句者ではなく、気が向いたとき、俳句を作れそうな兼題のときに投句するだけなのだが、全国から集まったハイポニスト(投句者はこう呼ばれているようだ)の熱気に押されるばかりだった。
 ときどき覗くこのサイトのレベルは、たとえばおそらく新聞の俳句欄などに比べても高く、そんな句を作るのはどんな方なのかという興味を以前から抱いていた。イメージ通りの方、こんなごつい人なのかと驚かされる方などさまざまだったが、こうやって全国から集まる「同士」と会えるのは人生の宝物かもしれないと思う。

 
予選の席題は「道」
さて、翌日10日は「まる裏俳句甲子園」の本番。何事においてもあまり緊張しないたちではあるのだが、それでもいくぶんの心地良い神経の張りとともに会場に向かう。北海道からわざわざ出かけて予選落ちはあまりにも残念すぎる、ということで、席題はわからないまでも使えそうなフレーズを仕込んででかける。予選の句は5分で作らなければならない。緊迫した異様な雰囲気の中、5分はあまりにも厳しいことが容易に予想されるからだ。

「道」の句を5分で考える北海道勢

 出された席題は「道」。意外にありふれた題だったのでちょっと拍子抜けした。道・・・道・・・、脳裡に浮かんだのはつい最近作った句。これしかないと思い、躊躇せずに投句用紙に書く。一緒にチームを組んだ葉子さん、透子さんも苦労せずに書けたようだ。これで決勝に進めるか?



◆46チーム中トップ通過

 
チーム紹介で【itak】からの
激励電報を読む牛後さん(中央)
予選の句は、夏井いつきさんが一句ずつ、まだまだ俳人(1点)、まあまあ俳人(2点)、そこそこ俳人(3点)、あんたは俳人(4点)に仕分けていく(3人の合計点が多い方から8組が決勝に進出できる)。句を読み上げては会場の反応を見回したり、決勝選者の森賀まりさんの表情を窺ったり、見ている限りではまあ妥当な選別が続く。

 森までの神話の道や雪明かり  (透子)
 言霊の道を伊予へと旅始     (葉子)


この二句がいずれも「そこそこ俳人」のところに置かれ(もちろんそこに相応しい句だった)、ぼくの句は残り少なくなってからだった。
 
 足跡を道と呼びたる雪野かな   (牛後)
 
 この句は会場の反応も良く、「あんたは俳人」のところに収まった。ちなみに、「まだまだ」「まあまあ」「そこそこ」の句は、披講とともに作者が発表されるのだが、「あんたは俳人」の句は出揃うまで作者は明かされない。それは、会場に挙手によって最優秀句が決定されることになっているからだ。

予選で最優秀句に選ばれた牛後さん(中央)。
右は審査員の夏井いつきさん
いよいよ最優秀句の決定の場面。ぼくの句にたくさんの手が挙がったことに正直驚いた。もちろん、ぼくが北海道から参加していることは知れ渡っていて、雪野の句なら牛後の句だろう、わざわざ遠くから来たのだから一票入れてやろう、という方もいたかもしれない。ぼくはそんなことをちょっと思いながら、それでも松山に来た甲斐があったなあと思いながら壇上に上がった。
 あとで、たくさんの人にあの句はよかったと言われ、そうだよなあ、ここに集まっている方々はほんとうに俳句が好きなのだから、まずは俳句で判断しているのだなあ、と改めて思い、嬉しさをもう一度噛み締めたのだった。
 最優秀句は5点。葉子さん、透子さんの各3点を加えて11点は予選46チームの中で最高点。もう1チームの浩美さん、秀樹さん、でらっくまさん(仙台から1人で参加した女性。北海道の2人と即席チームを作った)は残念ながら敗退。まずは北海道の1チームが決勝トーナメントに残り、面目を保ったことに安堵した。続いての決勝トーナメントの様子は次の回に。

 【itak】幹事・鈴木牛後 記


2016年2月16日火曜日

『りっきーが読む』 ~第23回の句会から~ (最終回)


『りっきーが読む』  (最終回)
 
~第23回の句会から~
 
三品吏紀
 
 
   グーチョキパー柚子湯に鍛え足の指    古川かず江

柚子湯や菖蒲湯などの季節を楽しむための入浴は、いつもよりちょっとゆったり浸かりたいもの。鼻歌混じりの風呂場は爽やかな柚子の香りに満ちて心地よいのだろう。
長湯しつつもなんとなく、手持無沙汰ならぬ足持ち無沙汰。きっと何気なく足の指でグーチョキパーなんて遊んでいたら、思ったより上手くできなくてつい練習に熱がこもってしまったのだろうか。
そういえば私の父も妙に足の指が器用で、幼い私と遊ぶ時によく足の指でジャンケンしたり、つねってきたりして構ってくれた事があったのを思い出す(さすがに足でつねられると腹が立ったので、グーパンチでお返ししたが(-“-))
風呂場の閉じられた空間に流れるゆったりとした時間。日常から切り離されたひとときと共にある柚子の香が、読み手の鼻腔をくすぐるような。



 初湯たぷたぷ何時の間にやら古希迎へ  田口三千代

いつもよりちょっと多めのお湯でゆっくりと初湯の時間を楽しむ。
普段なら多忙ゆえ烏の行水で終わるところを、この時だけは湯の中に身も心も沈め、じっくりと思いを巡らす。
慌ただしく駆け抜けてきた時の中、ふと立ち止まってみるともう古希を迎える自分。
なりふりかまわず走ってきた人生、ここから先は少しゆっくり歩んでいこうじゃないか。
「たぷたぷ」というオノマトペが、時の流れにたゆたう自分を表し、「ちょっと力を抜いていこうぜ」と語りかけているような。


 致死量の恋ぽとり入れ河豚の鍋       酒井おかわり

「致死量」「恋」「河豚の鍋」
この三つの言葉で既にストーリーが出来上がってしまっている。
河豚鍋を囲む二人。この嗜好でおそらく肉体的にも精神的にも円熟している男女なのだろう。
そしてこの恋は互いに大っぴらにできないもの。やがて行き着くとこまで行った先には、アンハッピーの結末しかないのだろう。致死量の恋という措辞に、そんな気配を感じる。
そうなることが分かっていても惹かれ合う心。
そしてまた致死量の恋を入れた鍋を囲む夜を迎えるのだろうか。



(了)

☆三品吏紀  :俳句集団【itak】幹事、北舟句会、迅雷句会


 


 

2016年2月14日日曜日

『りっきーが読む』~第23回の句会から~ (その3)


『 りっきーが読む 』 (その3)

~第23回の句会から~

三 品 吏 紀

 
   冬の雷文庫の世界閉じて聴く     長谷川忠臣

天変地異の前に人は為す術もない。しかし実害の出ない程度の大雨や雷などは、どうにも心が小躍りするような、ちょっとした興奮状態になる。
北国に住んでいると冬に雷というのはちょっと縁遠い感もあるが(雷の前に雪がワサッと降るからね)文庫の世界から現実に戻り、まるで古いレコードを聴くかのように雷の声に耳を傾けるというのもまた、オツな過ごし方ではないか。
 
 
  福袋女の怖さ袋分。           藤澤 汐里
 
……まぁ、あれだ。女性の物欲というのは男性の持つそれとはまた次元が違うものだと思う。(たぶん)女の怖さが袋分なんて、そんなウソ言っちゃイカンでしょー。実際はもっと……
なんて口が裂けても言ってはいけません。最後の「。」が全てを物語り、そして締め括っているでしょう。ちゃんちゃん。
 
 
  健全に呆けてゐると初メール     松原 美幸 
 
健全に呆ける、なんて素敵な響きなんでしょ(笑)
待ち望んだ正月三ヶ日の安穏とした日々。ところがいざ始まってみると喰っちゃ寝以外にすることが無く、思った以上に時間を持て余し仕方なく、寝転がりながらポチポチとメールを打ってる景が目に浮かぶ。
取り敢えず初メールしてみましたよ~~っ、的な気怠さも感じ取れる。案外この句に共感される方は多いのでは? 
 
 
 去年今年切り整へし髪と爪      遠藤ゆき子
 
新年を迎えるにあたって、自身の身だしなみを整える。爪を切り髪を整え、着る服・下着も新品を用意する。これも昔からの日本人の習慣だろう。
爪を切るパチンパチンという音、髪を整えるハサミのチョキンという一つ一つの音が、新たな年へのカウントダウン。新たな年を新たな自分として迎えることが出来る。
どんなに時代が下っても、こういう習慣はいつまでも大事にしていきたいものだ。
  

(最終回に続く)

2016年2月12日金曜日

『りっきーが読む』~第23回の句会から~ (その2)


『 りっきーが読む 』 (その2)
 
~第23回の句会から~

三 品 吏 紀


 実家てふフォアグラ工場去年今年   青山 酔鳴
 
なんとも自虐的、そして耳の痛い句だ(笑)
年末年始はほぼ喰っちゃ寝することが、日本の正しい正月の過ごし方だと思っている。それが実家ならなおさらだ。
フォアグラのごとくぶくぶくと自動的に肥えていく自分。でも正月だからいいじゃないかと言い訳する自分。そして鏡開きの頃には激しく後悔して必死にダイエットに励む自分。
それはきっと来年も再来年も懲りずに繰り返すのだろう。
やれやれ。 
 
 
  トレニアの狂い咲きたる強さかな    銀の小望月

四季のサイクルに沿って植物はそれぞれの時期に合わせて花を開く。
が、稀にそのサイクルから外れてまるではぐれ物の様に時期を外して花を開くものがある。
「狂い咲きたる強さかな」。周りに迎合せず自分の意のままに真っ直ぐに生きる。そこに強さを見たのだろうか。どうしても個というものが埋もれやすい昨今。周囲に流されず常に「己」というものを強く持ち続けて生きていきたいものだ。 
 
 
  引き算の果ての望郷初御空       五十嵐秀彦
 
自分の元からありとあらゆるものが失せ、消えてしまった。
残るのは残るのは胸の内にある望郷の念だけ。しかし再び歩み出すにはむしろ清々しいのではないだろうか。
何もない真青な故郷の空の元からこそ、スタートを切るにはふさわしい。
 
 
  愛咬のごときが昨夜の餅にあり     橋本 喜夫
 
愛咬という言葉はやはり男女の営みを連想させる。そして咬むという行為は「貴方は私のものです。その証を貴方に刻みましょう」というちょっとした独占欲の表れだと思う。
そういう論理でいくとこの句は「この咬み跡の付いた餅はオレのもんだ。誰も手をつけるんじゃねーぞっ」というイメージになるのか。うわぁ、なんてロマンティックじゃないんだろう(笑)
……いや、全く別の読み方をすると、下五の餅というのは、餅であって餅ではない。
つまり「餅の様に白い柔肌」ではないか。そうなるとこの愛咬という言葉のイメージがすんなり句に馴染み、なんとも艶めかしい句にも思える。
そういう意味でこの句は読み手にグッと妄想力を駆り立たせるのではないだろうか。
 
 (その3につづく)


 

2016年2月10日水曜日

『りっきーが読む』~第23回の句会から~ (その1)


『 りっきーが読む 』 (その1)
 
~第23回の句会から~

三 品 吏 紀
 
 
  ども。りっきーです。今回は読むの方に登場です。
ここ最近はなかなかタイミングが合わず【itak】に参加できない回が続き、お仕事サボり太郎になっておりました(´―`)
そんなおサボり太郎のワタクシに事務局の野良猫さんから、「『読む』、書け(#^ω^)」とのお達しをいただきましたので、久々に今回『読む』を担当する事となりました。
因みにやぶくすしのオニーサンが句会評を公開している筈なので、それぞれの句の俳句的技法や文法の解説など難しい事は、全部そちらにお任せしたいと思います(丸投げ)( ̄▽ ̄)
ワタクシりっきーの方は単純に、読んだ句についてどのような景が浮かんだか、どんなイメージを持ったかなどをダラダラ書き流していきたいと思います。
あ、今回も妄想力全開で書いてますので、「おいおい、その感想はちょっと違うんじゃ―ねーの?」なんて思っても、大目に見てやってくださいm(_ _)m
さて、では読んでみよう! 

 

  わらべうたむかしばなしにつもる雪    増田 植歌

小さい頃何度も読み聞かされた絵本、テレビで見た昔話。
その中に出てくる冬が舞台の話(かさ地蔵とか)などは、子供ながらに「うわぁ、本当に寒そうだなぁ」と想像をどんどん膨らませて話に聞き入っていたのを思い出す。
特に冬の夜にしんしんと積もる雪は周りの音を一切吸い込み、辺り一面静寂に支配される。  無音の銀世界が広がるなか、今度は一体どんな物語が紡がれるのだろう。 



   黒髪に隠すにきびも初日の出       宮川 双葉

結構目立つにきびがポツンとできてしまい正直誰とも顔を合わせたくない(見られたくない)、そんな微妙な気持ちが読み取れる。黒髪に隠すという措辞が、なんとなく年頃の女の子を思わせる。男子だとそこまで繊細にならないだろう。(今時はそうでもないか?)
思春期特有の恥じらいというか、些細な事だけれども心がすぐに揺らいでしまうような、そんな思いも取れる。何にせよ「若さ」がじんわり溢れているような一句かと。 



  遠い日の私の背中雪つぶて        齋藤 嫩子

近年は真冬でも外で元気に遊ぶ子供達というのは、結構少なくなっているような気がする。
今や世の中はインターネット、スマートフォン、携帯ゲームが氾濫し、そして塾や部活に習い事で随分と自由な時間も減ってると聞く。
近所の小さな公園もいつの間にか消えてしまい、アパートや住宅がどんどん建てられてしまっている。大人たちが子供達の自由に遊ぶ場所も機会も奪ってしまっている今、だからこそ作者は外で雪合戦する子供たちの背を見て、かつての自分の子供時代を重ねているのだろう。とてもストレートで景の浮かびやすい句だと思う。 



  寒紅のまだふつきれぬ思ひあり      松原 美幸

大事な人と紡いできた時間が多ければ多いほど、別れの時は様々な思いが残ってしまう。
人の記憶(心)は味覚や嗅覚、聴覚や触覚といった五感と共に深く刻み込まれるが、この句では「紅」という鮮やかな色、視覚から来るものが吹っ切れない思いに強く結びついているのだろう。
別れてもなお吹っ切れぬくらい人を想う、そんな情念のような句だからこそこの寒紅という季語が見事にマッチしているのではないかと思う。


(その2につづく)

 

2016年2月9日火曜日

『りっきーが読む』は明日から!


俳句集団【itak】事務局です。

楽しい雪まつりももうすぐ終わり、日一日と春に近づいていきます。

おなじみの『読む』シリーズです。
明日の夜から『りっきーが読む』をアップします。

第23回俳句集団【itak】の句会には52名が参加、104句が投句されました
その中から三品吏紀が毎回心の赴くままに選んだ句を読んで参ります。

前回同様、ネット掲載の許可を頂いたもののみを対象といたします。
掲載句に対して、あるいは評に対してのコメントもお待ちしております。
公開は明日2月10日(水)18時からです。ご高覧下さい。

☆三品吏紀(みしな・りき 俳句集団【itak】幹事 北舟句会・迅雷句会)


2016年2月7日日曜日

【itakスタッフ】野良猫リポート#16 またもやパンダちゃんがいっぱい!の巻


1月9日・りっきー兄ちゃん忙しいって~また代打~



創成高校
 新年早々のイベントですって~のにりっきー兄さんはまたも大きいビジネスがあったので欠席。でもまあ春から商売繁盛にゃん。代打・野良猫にもごほうびの鰹節頂戴にゃ

 今回はいつもの琴似工業高校の生徒さん4名(展示と解説担当)のほかに、小樽潮陵高校のみなさんが2回目(先生は冬期講習会でこられなくて生徒さん自力!)、札幌創成高校のみなさんが制服姿で引率の先生とともに初めて参加してくれましたにゃんよ。総勢10名、にゃんとも新鮮!

潮陵高校
 創成高校のみなさんはこれまで接点がなかったので、人間の幹事のおじさんたちもお問い合わせいただいたことにびっくりしてたにゃ!とにもかくにもようこそお出でいただきましたにゃ~



琴似工業高校

 今回は琴似工業のみにゃさんの文化祭展示がそのまま引っ越してきて、なんだかちょっとお祭りっぽいムードの中、スライドを多用して様々な活動内容を解説してくれました。潮陵・創成の2校も他校の年間の活動についてまとまった話を聞くのははじめてだったのかな。じっくり耳を傾けてたし、野良猫も一緒に尻尾振っちゃった。


 新年早々だったせいか大人の人間が少し少なかったので、句会ではパンダちゃんたちの句の鑑賞もいつもよりやや長め、句評の機会もちょっと多めにとることができました。遠くから来た潮陵高校も初めての創成高校も、楽しんでもらえたかな。琴似工業の面々は第一部が無事終わったためか、いつもよりずいぶんとリラックスしているように見えたにゃん~


さて、今回も気になる若人の作品ね。またもや残念ながら掲載不可があったのだけれど、大丈夫なものだけあらためてまとめるにゃん


  寒椿薄化粧して君を待つ        鴻上 千瑛

  鯛焼のはらわた透けてかぶりつく   高橋なつみ

  春隣慣れぬ手つきで茶を淹れる    角田   萌

  猫の毛のやわさを隠す隙間風     宮川 双葉

  外套の帷子雪をひとつまみ       銀の小望月

  猪が蜜柑の汁をすすってる       木内 望月

  福袋女の怖さ袋分。            鴻上 千瑛


さて、毎度同じお話で恐縮にゃんですが、遠い区域の学生さんには簡単に来てくれって言いにくいところですが、道内の生徒、学生のみなさん、顧問の先生方、どうぞ俳句集団【itak】のイベントに遊びに来てくださいにゃん。学校だけではできない経験が、みなさんを待ってますにゃん。それではまた3月のイベントで再会しましょうにゃん!次回はちょっと変わった楽器と唄のライブにゃん!札幌K高校さんの参加もお待ちしているにゃん

                                   △  △
以上野良猫が無責任にお送りしました。(=ΦωΦ=)


※高校生の句に対する句評や、高校生の選評に対するご意見などは、【itak】事務局で随時お受けしております。ご遠慮なくお知らせください。また、参加者のみなさんのその他の原稿をいつでもお待ちしております。よろしくお願いいたします!

2016年2月5日金曜日

俳句集団【itak】第23回イベント抄録


俳句集団【itak】第23回イベント抄録

北海道札幌琴似工業高等学校文芸部
『学校祭展示再現と高校の文芸部の活動紹介』 

 
展示と解説 文芸部顧問 佐藤啓貢+文芸部 宮川・細川・村上・前田

2016年1月9日 札幌・道立文学館
 

◆北海道札幌琴似工業高等学校文芸部は1963年創立、8年間の活動後に休止していましたが、2006年に活動を再開しました。

◆俳句、川柳、短歌、詩、エッセー、小説など創作に取り組むほか、複数人でチームを組んで「共同研究」しています。これまで石狩の俳句結社「尚古社」の調査などを行いました(これについては俳句集団【itak】第9回イベント「石狩の句会・尚古社の歴史~伝説の俳人・井上伝蔵~」として研究発表会を行いました・事務局注)。


◆北海道神宮での新入生歓迎会やアイヌについて学ぶ平取訪問など、積極的に吟行しています。校内で行う毎月1回の句会や歌会は、手作りのお菓子を食べながら、わきあいあいとした雰囲気でやっています。
 また、俳句集団【itak】のイベントにも第2回から参加させてもらい、大人にまじって勉強しています。



◆学校祭での展示は、お母さんたちを中心に人気です。きょうのこの会場のように、俳句や詩、短歌の短冊や色紙、小説作品の抜粋などを壁一面に張ります。学校祭当日は来場してくださった方たちが作品について感想を言ってくれます。



◆年間8種類の大会(俳句甲子園道予選や、15校100人ほどが集まる高文連石狩支部大会、25校150人ほどが集まる全道大会全国コンクールなど)に出場しています。


 秋田での「北海道・東北文芸大会」では、郷土芸能の大鼓を見せてもらったりしました。出迎えの角館高校生は着物姿でした。

 全国高校文芸コンクールでは連続入賞、全国第二席相当になったこともあります。前回は宮川さんが徳島県の授賞式でスピーチもしてきました(宮川「11時間かけて行きました」)。東京へ行った際には、子規庵を訪ねたりもしました。


◆文芸部誌は年間4回発行。印刷会社には頼まず、すべて手作りです。コストカットできることに加えて、手作りならではのぬくもりを込められるのがメリットです。

◆2008年に詩部門で全国優秀賞を受賞したのを皮切りに、全国入選をほぼ毎年果たしております。工業高校からは珍しく、頑張っています。

 
*会場にはこれまでの活動で作られた俳句、短歌、詩の短冊や色紙の作品を展示。色ペンを使って書いたり詩の内容に合わせて花のシールを貼ったり、思い思いの工夫に来場者たちが見入りました。また、吟行や各種大会の臨場感あふれる写真も並べられ、多くの人が文芸に青春をかける高校生たちの熱気を感じました。
 
文芸部顧問・佐藤啓貢先生
 

☆抄録 栗山麻衣(くりやま・まい、俳句集団【itak】幹事・銀化、群青)