2021年1月4日月曜日

謹賀新年2021・新年詠

俳句集団【itak】です。

本年もよろしくお願い申しあげます。

2021年・新年詠をご高覧くださいませ。

俳句集団【itak】幹事一同




あしたには孤島となりぬ鏡餅  五十嵐秀彦

アマビエにすがるご時世去年今年 林 冬美

生ほし立つ独り子見上げお正月 田口くらら

初夢を泳ぎ来てまだ濡れてゐる 松王かをり

三日はや砥石たつぷり水を吸ふ  太田量波

去年今年数多を捕らえ伴宙太   頑黒和尚

昏迷の窓よりひかり初寝覚   近藤由香子

目覚ましの文字盤しるき大旦   鈴木牛後

鏡餅高齢の猫通ります      安田中彦

引継ぎし山菜づくし雑煮椀    小路裕子

左義長の火柱にただ乞う日常   久才秀樹

声も瞳も清しくしたる春著かな  青山酔鳴

新玉の日が上るとて寝屋の中   音羽紅子

極楽の光注ぎし年酒かな     三品吏紀

福袋売場をきゅっと拭き終わる  角田 萌

慶びの天の岩戸のこゑ第九    増田植歌

病棟の窓に灯のある初山河    籬 朱子

あらたまの暁月夜願ひとつ    平 倫子

会話には膜うつすらと葛湯吹く  栗山麻衣

初春や視線合わない二人描く   田島ハル

コロナ禍を小脇に抱え去年今年  大原為流

よその子がただでかくなる年賀状 山田 航

切り傷に染みる初茜の眠気    村上海斗

初筑波黒のサドルの引き締まる  島崎寛永

静謐の中の混濁淑気満つ     Fよしと

御降の煌きパンシロンは粉  福井たんぽぽ

炭住の残らず消えて冬銀河    岩本 碇

香炉灰幾度も鎮む去年今年    安藤由起

三度目も陰性のまま年うつる   橋本喜夫