2014年5月30日金曜日

瀬戸優理子 『結婚指環』 鑑賞 ~久才 透子~


この一連の作品の題名は、『結婚指環』。
結婚してからの心の有り様が感じられる作品群になっている。

作者の優理子さんが、東京から北海道に嫁いできたことを知っているからかもしれないが作品の中に、見知らぬ土地に嫁いできた気持ちが現れているように思った。


 遠花火ぽかんぽかんと舟を漕ぐ


花火には、華やかな一面、一瞬にして消えるとゆうことから、はかない印象もある。
見る人の心のあり方で、受け取る印象が違うのではないか。

遠花火。過去となった娘時代、都会の喧騒。
遠くなってしまった以前の生活を、この季語に託しているように思う。
ぽかんぽかんとゆう、のんびりした印象のオノマトペからは、後ろ向きでもなく、頑張りすぎるわけでもない、自然体な生き方をしている彼女自身を現しているように感じる。
自分で決めた暮らしの中に、静かに身をゆだねているのだ。

そんな気持ちは、


 夜濯ぎの結婚指環泡立ちぬ

 門限に帰りそびれし寒三日月


これらの句にも感じる。

誰もが、暮らしの中のふとした瞬間、
自分の人生がどんどんすすんでいるのを実感することがあるだろう
感傷的ではなく、もちろん後悔しているわけでもないが、
以前とは違うのだ、という当たり前のことに気づく瞬間。

春夏秋冬、朝昼晩。
結婚していても、していなくても、それは誰もに訪れるのだろうけれど。
この一連の作品を読んで、自分自身に訪れた、そんな瞬間を思い出してしまった。

優理子さんはきっと、来年も、10年後も、20年後も、自分自身を静かに見つめながら、
ぽかんぽかんと舟に乗っているに違いない。



☆久才透子(きゅうさい・とうこ 俳句集団【itak】幹事 北舟句会)



2014年5月28日水曜日

瀬戸優理子 『結婚指環』 鑑賞 ~三品 吏紀~



 いつもitakの句会を一緒に楽しんでいる瀬戸優理子さんが、北海道現代俳句賞を受賞という一報を聞き、自分の事のように嬉しく思います。
お会いする時はいつも朗らかな笑顔、それがそのまま作品にも表れているようにも感じます。
瀬戸さんの作品の印象は多くの方が評するように、やはり明るさ・温かさ・そしてしなやかさが感じられると思います。
ま、細かいことはともかくまずは一句鑑賞してみようかと。


 皿沈む水のゆらめき春愁い


 洗い場に一枚ずつ沈める食器。水はどんどん濁ってゆらぎ、やがて溢れ出す。でもそのおかげで皿はまたピカピカの綺麗な姿に戻ることができる。
この句は作者の日々の心情=皿に置き換えているのかな、なんて思ったり。毎日朝から晩までお母さんやって奥様やってたら、ちょっとくたびれる事もあるのかな?なんて勝手に想像してしまう。
そんな時は、皿を洗うように心を洗濯。心の汚れは水のゆらめきに乗せて、洗い流してしまえばいい。 
あ、そっか。句会の時と懇親会の時はいつも生き生きとしてるから、その辺りでうまく心を洗ってるのかしらん?(笑)

お母さんは家族みんなをいつでも受け止めてくれる大事なお皿。
お皿は常に綺麗で美しくあってほしいと思う。



☆三品吏紀(みしな・りき 俳句集団【itak】幹事 北舟句会)


※ご好評の『読む』企画は只今鋭意執筆中です。公開までしばらくおまちくださいませ。


2014年5月26日月曜日

「第59回全道俳句大会・記念講演」のご案内


俳句集団【itak】です。
ライラック祭りも終わりましたがリラ冷えの続く毎日です。
本日は北海道俳句協会が主催する「第59回全道俳句大会・記念講演」のご案内です。

前半は定期総会が行われますので会場ロビーにてお待ちください。
休憩をはさんで全道俳句大会・記念講演が始まります。
会員以外のどなたでも講演を聴くことができます。
初夏の昼下がり、ぜひ会場へお運びください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

大会作品の入選句の発表並びに講評などを行います。俳句愛好者、一般の方々が一堂に会し流派を超えた研鑽と親睦を深め、道内俳壇の活性化と地域文化の発展を図ることが目的です。

日 時 2014年6月1日(日)13:00~17:30
会 場 すみれホテル  札幌市中央区北1条西2丁目

主 催 北海道俳句協会

記念講演 「北海道と飯田竜太 -自然・人・俳句-」

         俳誌「郭公」主宰 井上康明 氏

※入場料無料となっております。

http://www.sapporo-info.com/eventDetail.php?event_code=57379


 

<イベントに関するお問合せ先>
 
北海道俳句協会 田湯 岬
 
電話番号 011-765-1248

公式HP http://www16.ocn.ne.jp/~dohai/



2014年5月24日土曜日

【itakスタッフ】りっきーリポート#11 2014年新入部員さんいらっしゃい!の巻



5月10日、土曜日。 (晴れ、風がビミョーに寒かった)


 AM11:30、札幌駅。幹事数人と待ち合わせしているワタクシりっきーは、いつも以上に緊張していた次第であります。
何故かって?
今回第13回のイベント、事前申し込みの時点ですでに60名以上の参加が確定していました。
【itak】で60名という参加者は過去最高。 いままでもバタバタの運営だったのに、これでまた人数が増えて本当に大丈夫なのかしらん?と不安モリモリでありました。
おまけに今回は幹事の参加が少なめ。皆さん本業の手が離せず、裏方の手が全く足りない状態でした。
・・・まぁ、足りないものはしょうがない。今いる人達で全力で頑張ろう!という悲壮な決意で会場に到着。 せっせと開場に向けてセッティング開始です。


……が。

 いざ蓋を開けてみると来場者77名。投句者69名。 ヴえ?70名越えてるじゃん!?

あばばばばばばばばばばばばば(((((((( ;゚д))))))))

 当然の様に席は足りない、トークショーの資料は足りない、句会用の投句用紙もギリギリ、室内は人多過ぎで酸欠気味。ていうか暑過ぎ。なんていうかもう、この日の道立文学館はカオスの渦が巻いておりましたよ。 でも厄介なことに、うちのBOSSはこのカオスっぷりが大好きなんだよなぁ・・・(Д`)シクシク
 それでもなんとか時間内にイベントを全て終える事ができたのは、参加者皆さんのご協力があったからこそです。 本当にありがとうございました。ω;`)ブワッ

 さて、今回も学生さん達のご参加が多くて、ヒジョーに嬉しい限りでした。
【itak】
にはもはや常連の琴似工業高校の文芸部、今回は新入部員含めて8名も(!)参加してくれました。やはり今年高校生になったばかりの新入部員、顔立ちと立ち振る舞いは、若々しさに溢れていました。 うらやましいなぁ・・・(´з`)そして今回は大学院生の御参加もアリ~の、第一部パネラー山田航さんのファンの方も参加アリ~の(女性ばっかだよ、航さん羨ますいィキイィィ('A`))、そして某ママさん俳人の小学生の兄弟も参加と、いつも以上にフレッシュな面子の出席者でありました。 


 琴似の新入部員達は俳句に初めて触れて一ヶ月も経っていないとの事でしたが、作品はそれぞれ頑張って作ったのが感じられました。これからどんどん俳句を含めて、短歌・詩・小説・エッセイ、沢山の文芸に触れて、そして言葉で遊んでほしいと思います。十代の皆はいわば、おろしたてのスポンジみたいなもの。すごい勢いで知識や技術を吸収していきます。 一日一日を大事に、そして楽しく精進してくださいね(・∀・)
 今回旭川東高校の皆は予定があったとの事でお会いすることはできなかったけど、次回以降また気軽に参加して下さいね。
上手いこと【itak】を利用してくれて構いませんから( ̄ー ̄)ニヤリ
もちろん他にも興味のある学校の方いましたら、お気軽に問い合わせて下さい。【itak】はオープンな場所ですからね~。

 さぁ、次回は7月12日の土曜日だ!次はいよいよ100人句会になるのか!?
皆さんのご参加、お待ちしてますよ~~!!


 

2014年5月22日木曜日

第13回句会 投句選句一覧④


※作者・投句一覧が空欄のものは 掲載の許可がなかったものです
 








#投句・選句一覧
 
 

第13回句会 投句選句一覧③


※作者・投句一覧が空欄のものは 掲載の許可がなかったものです









#投句・選句一覧


第13回句会 投句選句一覧②


※作者・投句一覧が空欄のものは 掲載の許可がなかったものです
 








#投句・選句一覧
 
 

第13回句会 投句選句一覧①


※作者・投句一覧が空欄のものは 掲載の許可がなかったものです
 


 


#投句・選句一覧
 
 

【第13回人気五句披講】


俳句集団【itak】です。
 

いつもご高覧頂きありがとうございます。
先日公開しました第13回句会【人気五句】の披講をいたします。
三句選で、天=3点、地=2点、人=1点の配点方式、( )内は配点です。
横書きにてご容赦くださいませ。
 

母にだけ分かる文字ある種袋          吉村 佳峰 (26

北辛夷恋をしないという自由       今井  心 (14
お隣は夫婦別姓はうれん草           田口三千代 (14
ちちははが亡くて先頭かたつむり    新出 朝子 (14)
新緑や駅前少しずつ老いて       今井  心 (11

以上です。ご鑑賞ありがとうございました。

なお、5位は13点でしたが掲載の許可を頂けませんでしたので
6位の句を繰り上げてご紹介いたしました。

引き続き投句選句一覧をご報告します。
ご高覧下さいませ。

※吉村佳峰様の「吉」は冠が「土」ですが変換ができませんでした。

 

2014年5月20日火曜日

俳句集団【itak】第13回句会評(籬 朱子)


俳句集団【itak】第13回句会評

  
2014年5月10日


籬 朱子(銀化)
 
 
 【itak】の句評の4番(3番かも)打者(橋本喜夫)がお休みの為、代打で登場することになった籬 朱子です。今回句評として書いた句の数は、全体の15%程でしょうか。年齢も幅広く、ベテランから初心者までバラエテイに富んだ句の一端を御紹介出来たらと思います。


 北辛夷恋をしないという自由    今井  心
 
 
恋をするのもしないのも自由だが、私は目下恋を<しないという自由>を選択しているということだろう。
<しないという自由>を選択すると、思わぬところで相手に振り回されなくて済むことは確か。 だがしかし、恋とはしようと思って出来るものだろうか?しないと思って止められるものだろうか?? 恋は多くの場合、偶発的なもので、西洋でも落ちる(fall in love with~)という動詞が使われているではないか。 あるいは<しないという自由>という表現が可能になるほど、恋というものそれ自体の認識が変わってしまっているのかもしれない。
この句の呈示した<しないという自由>は一筋縄ではゆかないなぁ。などと、すっかり縁遠くなった身があれこれ心配しても仕方がないか。


 水筒は斜め掛けなり昭和の日    内平あとり


子供の頃の遠足で水筒は斜め掛けが当たり前だった。
というかそのように指導もされていた。
今の子供達はどうなのだろう。今度観察してみるとしよう。
昨今リュックサック(バックパック)を背負う年輩の方々が多くなった。よく見てみるとバックは斜め掛けになっている。
何でも斜めがけにするのは見栄えよりも、安全を優先するためか。そんな手堅さが昭和と響きあっているようだ。
 
 
 連翹のふるへ偏頭痛をちらす    安藤 由起
 
 
「満開の連翹を見ていると、偏頭痛も忘れてしまった・・・」と言うのが作者の気持ちであったと思う。それぐらい連翹の星形の黄色い花はインパクトがある。頭痛を止める位のパワーを持っているのだから花は凄い。
 
 
 春風を堰き止めてゐる献血車    三上 晴海
 
 
イベントがあると会場の何処かに献血車が停まっていることがある。四角くて白い壁のような車の存在感。献血は人の命を繋ぐものだ。
あたかも春風を堰き止めている様だという見立てが新鮮。


 母だけに分かる文字ある種袋    吉村 佳峰


この種袋は店先に整然と並んでいる色鮮やかなそれではない。
ほの暗い抽斗の中に大事にしまわれて春を待つ、母の手作りの種袋。
種袋も古封筒か何かで代用しているのかもしれない。
何と書いてあるか判然としないが、分かる人(母)が分かれば良い。

種袋を作ったお母さんの思いも温かいが、それにも増してその種袋を通して母を思う気持ちが温かい。世代を越えて支持された最高点句。


 絵葉書にA子と書けり寺山忌    五十嵐秀彦


寺山修司の句はほんの数句しか知らない私が、コメントするのは心もとないが、上五中七で分かる人達には分かってしまう雰囲気が、分からない身には切なくもある。
寺山修司を知ってみたい、と思わせるのに充分な1句。


 お隣は夫婦別姓はうれん草     田口三千代


この句も高得点句。若いご夫婦だろうか。夫婦別姓はまだまだ少ない中で、お隣は別姓で通している。
より独立した人格の持ち主なのかなぁ・・・。ちょっと羨ましいような気がしないでもない・・という作者の気持ちもあるのか。
そう思わせるのは、<はうれん草>という季語の健全さが大いに物を言っているからだろう。
 
 
 割箸の数だけありし花見かな    三品 吏紀
 
 
とても俳句的な句。割箸の数=参加人数。その参加人数分の花見がある。これ以上簡潔に花見を言い得た句があるだろうか。
必需品の割箸に着目したあたり、古びることのない江戸の俳諧をみるようだ。
 
 
 刺激して螢袋となる細胞      瀬戸優理子
 
 
刺激して万能細胞になるというSTAP細胞が話題になったばかり。先頭のSはstimulus(刺激)の頭文字だというから、刺激がいかに重要かは想像に難くないが、「なんでも刺激すれば出来るのか?!」という点が問題となっている。 コツはあるらしいが、刺激して螢袋になったら本当に面白い。
この句も前述の<はうれん草>のように、螢袋という植物名を想起したセンスの良さが光っている。
 
 
 補助輪の外れたるとき夏に入る   増田 植歌
 
 
一般的に子供の自転車の補助輪を思うが、多分それはこの句の表面の意味だろう。人生で補助輪の必要な時というのは何も子供時代だけではない。進学した時、就職、転職、退職、習い事に至るまで、何か新しい事が始まる春に補助輪は必要なのだ。

ふっと気がつくと一人乗りできていた。
それまでの時間が<夏に入る>という言葉に上手く集約されている。
 
 
 陽炎や齝みゆたにねまり牛     草刈勢以子
 
 
齝(にれか)みとは反芻のことだという。
捕らえどころのない陽炎と、存在感のある目前の牛。
陽炎が燃え立つ頃の北海道の牧場では、このような光景がいたるところで見られるはず。
静かな大地と生き物の生命力に溢れた句。
 
 
 囀りが毛細血管まで流る      岩本  碇
 
 
北海道は今まさに囀りの真っ最中。小鳥たちの澄んだ声が耳から全身に伝わる心地よさを、言葉で表すのは難しい。
囀りが作者の体に染み渡る感覚を<毛細血管まで流る>と言いきった点に共感した。句の途中に切れが入らないことで、スピード感も生まれた。
 
 
 身の丈に風の重さよ浜防風     久才 透子
 
 
ハマボウフウは砂浜に自生する丈の低い(5~10㎝)植物。白い小花を目にした人もいるだろう。
風を防ぐという名前から、<風の重さよ>という措辞が生まれたのか、それとも作者が身の丈に浜風を感じているのか。
どちらにしても潮騒が聞こえる様な趣のある句。
 
 
 旧道に逸れまつさらの桜かな    内平あとり
 
 
旧道ということは新道があるわけで、すでに使う頻度が少なくなった道というイメージがある。そこをさらに逸れるということは人里離れた山奥に入って行くということだろう。

<まつさらの桜>とは人の世に晒されていないという意味だろうか。 そういう所に咲く桜こそが桜なのかもしれない。
 
 
 ちちははが亡くて先頭かたつむり  新出 朝子
 
 
何と言っても季語の<かたつむり>が秀逸。 こんなところに<かたつむり>が顔を出す。 俳句の魅力を改めて教えられた1句。
 
 
 巨乳に夢微乳に慈愛春溢るる    青山 酔鳴
 
 
哺乳類であるかぎり、どんな形であろうとも乳と無縁ではいられない。ことに春であれば。大小の乳を持つ生き物全てを抱きとめておおらかな賛歌となっている句。   
  

◇ 

 

※朱子さんありがとうございました。次回はよろしくお願いします、喜夫さん♪
 そしてみなさまのコメントもお待ちしております(^^by事務局(J)

2014年5月18日日曜日

人気五句@第13回俳句集団【itak】句会・20140510







※事務局よりお知らせ
お待たせしておりました「人気五句」の公開です。
今回の句会は過去最大の大句会だったため各種事務作業に手間取っております。
参加者および読者の皆様におかれましては、やや気長に更新をお待ちくださいませ。

2014年5月14日水曜日

俳句集団【itak】第13回イベントを終えて



俳句集団【itak】第13回イベントを終えて


「【itak】がとうとう3年目に突入!」
 
 
五十嵐 秀彦

 
俳句集団【itak】は今回で2周年となりました。

第1回は一昨年の5月、中央区民センターを会場として、第1部企画を私と、歌人・山田航さん、英文学者・平倫子さんの3人による「あえて今、花鳥風月を考える」というシンポジウムでした。

あの頃は、会場に入りきれないほど人が来たらどうしようと思ったり、反対に、幹事以外は誰ひとり来なかったらどうしようとか、不安でいっぱいだったのを、昨日のことのように思い返しています。

幸い50人ほどの人が集まったと記憶していますが、その後も毎回いったい何人来るのだろうかと心配ばかりしながら2年が過ぎたというところです。
 

2周年と言ったところで、そのことにそれほどの意味はありません。

ですから、特別なことはせずに、いつものようにやろうということで、今回は第1部企画を私と山田航さんのふたり、つまり幹事によるトークショーという原点的な内容としてみました。

トークショー「読(詠)まずに死ねるか!~短詩型文芸の可能性~」(五十嵐秀彦vs山田航)
 

あまりに自然体過ぎて、盛り上がらないんじゃないか、という不安もありましたが、俳句集団【itak】は、完成度の追求より可能性の追求、ということでこれまで一貫してやってきましたので、失敗したとしてもそれはそれで【itak】らしいことだよね、という姿勢で当日を迎えたところ、蓋を開けてみれば77名という過去最大の規模になってしまいました。

この人数は、机も出した席の配置としては会場の道立文学館講堂のほぼMAXと言ってもいい規模です。

しかもこんなときに限って、幹事の欠席が目立ち、最少のスタッフで最大の参加者を迎えるというシビアな状況となってしまいましたが、しかし、幹事以外の方にも応援をしていただき、期せずして最大規模となってしまった第13回イベントをなんとか無事にやりとおすことができました。

ご協力くださった参加者の皆様に、心から感謝申し上げます。

 

また、今回は北見市から来られた方や、わざわざこのためになんと神奈川から日帰りの強行軍で参加してくださった方もいらっしゃいました。

そして、これまで俳人協会や現代俳句協会の会員が多かったのですが、今回はさらに伝統俳句協会の方たちも参加してくださったのもうれしいことでした。

また、琴似工業高校からも新一年生が大挙して参加するなど、文字通り老若男女の参加者で活気に満ちたイベントとなったことも、2周年にふさわしいことと喜んでいます。

 

さて、内容ですが、第1部の企画については、私自身が出演者だったため、あまり客観的に評価できないのですけれど、山田航さんと一切事前打合せをせずにぶっつけでやったわりには、互いに提示した話題に不思議と共通点が多く、やはり俳句の世界も短歌の世界も問題意識というのは似たところにあるのだ、と納得もしました。

このトークショーは、私と山田航さんが、それぞれ語りたい作品を持ち寄り、自由にトークしようというものでした。

持ち寄った作品を交互に語り、相手が突っ込むという形で進めたのですが、航さんは口語短歌の新しい潮流について語り、私はここ数年の俳句に見られる現代版「軽み」について語る内容となり、しかもそれが相互に共通した傾向を見せたところは話している側としては刺激的でした(それが伝わったかどうかは自信がありませんが…)。

 

このトークショーの抄録は多少まとめるのに時間をいただくことになると思います。近々こちらのブログにアップする予定なので、ぜひお読みいただきご意見など頂戴できれば幸いです。

 

句会のほうも69名による大句会となり、時間内に納めるためかなりはしょる運営になったのは残念でした。この問題は以前からある課題なので、次回に向けて少し運営手順も見直せるところはないか検討をいたします。

今回イベントの内容については、いつものようにこのブログに順次公表してまいります。

 

ところで、3年目に入った俳句集団【itak】のこれまでの足跡について、ここで振り返り下記のとおり一覧にいたしました。ご参考までに。

 

 

俳句集団【itak】イベント一覧(2012年5月~2014年5月)

 

第1回 2012年5月12日(土)

会場 札幌市中央区民センター 視聴覚室


パネリスト 五十嵐秀彦(俳人)山田航(歌人)平倫子(俳人・英文学者)

 

第2回 2012年7月14日(土)

会場 OYOYOまち×アートセンターさっぽろ


講師 今田かをり(俳人、予備校古文科講師)

 

第3回 2012年9月8日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


葉子が斬る 航が語る 朱子が読む 抱腹絶倒トークショー

出演  籬朱子(俳人)、山田航(歌人)、高畠葉子(俳人)

司会  五十嵐秀彦(俳人)

 

第4回 2012年11月10日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


講師 高橋千羅思 (たかはし・ちらし) 

          俳人、北舟句会、猟友会

 

第5回 2013年1月12日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


講師 橋本喜夫(雪華同人 銀化同人 現代俳句協会 俳人協会)

 

第6回 2013年3月9日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


  「新宿、わたしの解放区」共著者対談

      佐々木美智子×岩本茂之

  <佐々木美智子自主制作短編映画「アリバイ」を上映>

 

第7回 2013年5月11日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


講師 久保田 哲子(俳人)

 

第8回 2013年7月13日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


講師 小林精志(北の錦・小林酒造株式会社専務取締役)

 

第9回 2013年9月14日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


パネラー 札幌琴似工業高校文芸部

 

第10回 2013年11月9日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


講師 矢口以文(詩人)

 

第11回 2014年1月11日(土)

会場 札幌市資料館 2階 研修室


講師 久保田 翠 (作曲家・音楽研究者)

 

第12回 2014年3月8日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


講師 月岡道晴(國學院大學北海道短期大学部准教授・歌人)

 

第13回 2014年5月10日(土)

会場 北海道立文学館 講堂


出演者 五十嵐秀彦(俳人) 山田航(歌人)

 


さて、次回は第14回になります。

日時は2014年7月12日(土)13:00~16:50

会場 北海道立文学館 講堂

講演 北海道の古民家について」      

講師 江崎幹夫(古民家鑑定士、北海道古民家再生協会理事長)

 

次回もどうぞご期待ください!!



※※事務局よりご参加の皆様にご連絡※※

当日は多くの方においでいただき、誠にありがとうございました。
ご用意したレジメが十分ではありませんでしたので、お持ち帰りいただけなかった方がいらっしゃいましたらどうぞご遠慮なく、俳句集団【itak】事務局までお申し付けくださいませ。
PDFデータでのメール配信あるいは選句結果と共に郵送をさせていただきます。