2014年12月31日水曜日

【本年の御礼と『新年詠』公開のお知らせ】


俳句集団【itak】です。

本年のイベントにもたくさんの方々にお越しいただき、また応援いただきましたことに深く感謝いたします。誠にありがとうございました。

来年も奇数月第二土曜日を定例として休まず会を重ねてまいりたいと思います。
みなさまは常に【itak】という何者かの目撃者・証人であります。
俳句を通じて喜びをともにできますよう、今後とも新しい挑戦をしていきたいと思います。

明日は元旦。
幹事一同、新たな気持ちで頑張ります。
18時より幹事による『新年詠』を公開予定です。
ご高覧、ご笑覧くださいませ。


新年のイベントは1/10(土)13時からとなっております。
お申込み受付中です。

第一部は【itak】参加者有志による
『爆笑!【itak】俳句甲子園!です。
多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。

懇親会のお申し込みも引き続きお受けしております。
お申込みお問い合わせは itakhaiku@gmail.com まで。

それではみなさま良いお年をお迎えくださいませ。


俳句集団【itak】幹事一同


2014年12月22日月曜日

第17回俳句集団【itak】イベントのご案内


第17
回俳句集団【itak】イベントのご案内です。


俳句集団【itak】事務局です。
あっという間に師走の街。慌ただしい時期となりました。
第16回講演会・句会には63名のご参加をいただきました。
いつもありがとうございます。

下記内容にて【itak】の第17回 イベント・句会を開催いたします。
どなたでもご参加いただけます。
今回はのイベントは俳句集団【itak】有志によるデモンストレーション

『爆笑!【itak】俳句甲子園』です
多くの方々のご参加をお待ちしております。
第一部のみ、句会の見学のみなどのご参加も歓迎です。

また、実費にて懇親会もご用意しております。お気軽にご参加ください。

◆日時:平成27年1月10日(土)13時00分~16時50分


◆場所:「北海道立文学館」 講堂
     札幌市中央区中島公園1番4号
     TEL:011-511-7655


■プログラム■

 第一部

 俳句集団【itak】参加者有志による俳句甲子園デモンストレーション
 『 爆笑!【itak】俳句甲子園! 』
     
 出 演 俳句集団【itak】参加者有志一同
      (琴似工業高校・旭川東高校主体) 
 第二部 句会(当季雑詠2句出句)

 <参加料>

 一   般  500円
 高校生以下  無  料(但し引率の大人の方は500円を頂きます)


※出来る限り、釣り銭の無いようにお願い致します。
※イベント後、懇親会を行います(実費別途)。
 会場手配の都合上、懇親会は事前のお申し込みが必要になります。
 会場および会費など、詳細は下記詳細をご覧ください。


■イベント参加についてのお願い■

会場準備の都合上、なるべく事前の参加申込みをお願いします。
イベントお申込みの締切は1月8日とさせて頂きますが、締切後に参加を決めてくださった方もどうぞ遠慮なくこちらのメールにお申込み下さい。
なお文学館は会場に余裕がございますので当日の受付も行います。
申し込みをしていないご友人などもお連れいただけますのでどなたさまもご遠慮なくお越しくださいませ。
参加希望の方は下記メールに「第16回イベント参加希望」のタイトルでお申込み下さい。お手数ながらお申し込みには下記のいずれかを明記してくださいませ。
①講演会・句会ともに参加(当日13時までに受付にて投句願います)。
②第一部講演会のみ参加
③第二部句会のみ参加(前日までにメール・FAXなどで投句して頂きます)。
特にお申し出のない場合には①イベント・句会の通し参加と判断させて頂きます。

■懇親会詳細と参加についてのお願い■

 テラスレストラン kitara(キタラ)
 中央区なか島公園1番15号札幌コンサートホールkitara1階


 時刻:17:30~19:30
 会費:3500円(飲み放題つき)

 定員:30名(予約順・満席の場合キャンセル待ちにてお問い合わせください)

※イベント受付時にご精算をお済ませください。
※当日のキャンセルは後日会費を申し受けます。

準備の都合上、こちらは必ず事前のお申し込みをお願いします。
懇親会申し込みの締切は1月7日とさせて頂きます。
以降はキャンセル待ちとなりますがお問い合わせください。
参加希望の方はイベントお申し込みのメールに ④懇親会参加 とお書き添えください。
itakhaiku@gmail.com


ちょっとでも俳句に興味ある方、今まで句会などに行ったことのない方も、大歓迎です!
軽~い気持ちで、ぜひご参加ください♪
句会ご見学のみのお申込みもお受けします(参加料は頂戴します)。

北海道立文学館へのアクセス
※地下鉄南北線「中島公園」駅(出口3番)下車徒歩6分
※北海道立文学館最寄の「中島公園」駅3番出口をご利用の際には
①真駒内駅方面行き電車にお乗りの方は進行方向先頭部の車両
②麻生駅方面行き電車にお 乗りの方は進行方向最後尾の車両に
お乗りいただくと便利です。

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2014年12月15日月曜日

『おヨネが読む』 ~第16回の句会から~ (最終回)



『 おヨネが読む 』 (最終回)


 ~第16回の句会から~

栗山 麻衣


猫転送装置流行冬隣         青山 酔鳴


 冬隣。秋の終わりギリギリの季語。寒くなってきて、家族の間では、飼っている猫ちゃんの取り合い、もしくは譲り合いをしています。誰の膝に乗るか、誰のお布団で寝るかはけっこう重要な問題。つまり猫の転送装置というのは、冬が近づいてきた冷気のことなんですね。すべて漢字で構成したのも、読み手にん?と、ちょっと考えさせる間があって楽しい。我が家にも、たまに転送して欲しかー。欲しかー。欲しかー。
 
 
アキレス腱触るる黒猫神無月    西村 榮一
 
 
 猫シリーズ。こちらは猫と触れるか触れないか、ビミョーな感じの擦れ違い。さわさわっという感じを思い起こさせます。この黒猫ちゃん、神無月に思わせぶりなそぶりをしているということで、実は神様の代わりに来た何かの使者なのかも。
 
 
明々と月を梢に枯木立        大槻 独舟
 
 
 これは言葉遊び的な、字面の解題の面白さですね。百人一首にある文屋康秀さんの歌「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ」と同じ趣向。山の下に風と書き足せば、嵐という文字になりますが、月に木と三本の棒を立てたら梢になる。月明かりに浮かぶ枯木立ちの梢。新漢語林(これも林ですね)を見てみると、梢という字のつくりの三つの棒は小さいという字から来ており、木が小さくなるところという意味らしいですが、本当は掲句のような成り立ちなのではないかと思わせられる説得力がありマス。
 
 
どんぐりの漫ろ歩きの肩に降る   長谷川忠臣
 
 
 ぱっと見た時、どんぐりの降る様子が漫ろな感じなのだろうと思って惹かれました。でも、よく読むと、漫ろは歩きにかかっていて、つまり作者がそぞろ歩きしているのですね。お散歩に絶好の日和だったのでしょう。ただ、漫ろ歩きの肩にどんぐりが降ると言われると、それって痛くないのかな…と要らぬ心配もわいてきちゃったよ。ごめん。

 

 つうわけで十六句。またもや勝手な鑑賞をさせていただきました。ふう。しかし、強制的にでも読まないとなかなか勉強しないワタクシ、大いに勉強になったワ―。貴重な機会を与えていただき、あざしたあざしたあざした。ちなみにワタクシ、彦根のひこちゃん、違った、ひこにゃんも大好きです。


 (了)


☆俳句集団【itak】事務局よりお知らせ☆

ご好評の【itak】句会評の公開が諸般の事情により遅れております。
今しばらくお待ちくださいませ。


 

2014年12月13日土曜日

『おヨネが読む』 ~第16回の句会から~ (その3)



『 おヨネが読む 』 (その3)


 ~第16回の句会から~

栗山 麻衣

垂直の高きプライド鵙の贄        藤原 文珍

 垂直の高きという措辞が斬新。この言葉はプライドにも鵙の贄にもかかっていますが、寂しさ、孤独を感じさせます。速贄の状態をよく観察し、そこから受ける印象をさらに研ぎ澄ませた言葉にしたことで、読者にイメージを喚起させる作品になったんですね。なんちゃって俳人の名を欲しいままにしておりますワタクシ、鵙の速贄を実際に見たことが無く、実にお恥ずかしいのですが、ドラマ「MOZU」は欠かさず見ておりました。西島秀俊ナイス。と書いてたら、結婚しちゃったよ。ちっ。おめでとう。
 
 
新米を貰い大福五個返礼        柏田 末子
 
 
 ふくふくと豊かな気持ちにさせてくれる作品。返礼がなぜ大福なのか、なぜ五個なのかとか、まあ固いこと言わず。この際どうでもよろしい。きっと手元にあったのであろう。そして新米をくれた人が五人家族なのであろう。つうわけで、新米も大福も大地の恵み、大福という名前もいかにも徳のある感じ。楽しい物々交換のひとコマを切り取りました。
 
 
相席はムンクのモナリザ雪が降る   信藤 詔子
 
 
 爆笑。いやー、これ、好きだワ―。「ムンクのモナリザ」。何言ってるか分かんないよーと思ったヒト、正解。でも、いいの。ワタクシはルーブル美術館におわします彼女がムンクの叫びのように表情を変えている超現実の世界を思い浮かべました。

舞台は大衆食堂。「相席よろしいですか―」というおばちゃんの問いかけに浪人生である作者はうなずき、一人で来ていた年齢不詳の髪の長い女性の前に坐ります。よく見るとモナリザ。げ。ルーブル美術館にいるはずの二次元の彼女がなぜここに…と思う間もなく鍋焼きうどんが運ばれてきます。以下略。

業界的には読み過ぎてはいけないと言われますし、ぶっ飛びすぎると、俳句ではなく三題話のお題みたいになってしまう危険もありますが、俳句にはこうして頭を柔らかくしてくれる効用もあるのですね。
 
 
とりどりの葉色ふるはせ今朝の秋   松田 ナツ
 
 
 こりゃまた美しい句。今朝の冬って、なかなか雅やかな季語ですね。うっとり。立冬の空気の変わる一瞬をとらえています。色とりどりの葉を震わせるのではなく、震えているのは葉の色であるととらえたところが出色! さりげなくて一見地味ですが、色々と練られた御作品とお見受けいたしました。
 
 
(最終回へ続く)

2014年12月11日木曜日

『おヨネが読む』 ~第16回の句会から~ (その2)



『 おヨネが読む 』 (その2)


 ~第16回の句会から~

栗山 麻衣

 

ガスの火の青き王冠時雨降る     籬   朱子 

 水面に滴が落ちて跳ね返った時の形を「ミルククラウン」と言うのだと、ワタクシはかつて大島弓子さんの名作漫画「綿の国星」で知りましたが、この句が指しているのはガスの火の王冠。生活感あふれる台所も、こうして表現すると美しい! 上五中七に詩情を感じます。とっても素敵な発見のある句だからこそ、ついつい、もっともっとと要求してしまうのが僕の悪い癖(@杉下右京。「相棒」絶賛放送中)。合わせる季語が時雨というのが合っているのかどうか…と一瞬思いました。火と水のさりげない対比がナイスとも思うのですが、なんというか、うーんぴったり、抜群とまではいかないような…。でも、やっぱ何かをじっくり煮ている時とか、こんな感じかなあ。やっぱいいかも!
 
 
待ち時間は電子書籍を文化の日   和佐 尚子
 
 
 日常のさりげない場面を切り取り、時代を感じさせました。電子書籍がいいのは、読み終わった本がかさばらないところ。ワタクシはけっきょく紙の本を読んでいることが多いですが、読む量がハンパ無い作家や書評家の中には、電子書籍派の方もけっこういらっしゃるようです。上五の字余りはオッケーなケースも多いですし、あえてそうしたな、やるな御主と思わせられる場合もありマスが、掲句の場合はちょっとビミョーな気もしました。熟慮の末だったら、大変すんまそん。
 
 
銀河濃しわたくしという舟に乗り    松王かをり
 
 
 これはずばり、ちょっと前のベストセラー「利己的な遺伝子」の世界。つうか、ずばりとか言っておきながら未読なのですが、ざっくり言えば、人間は遺伝子が遺伝子を残していくための乗り物に過ぎないという内容でしたよね。壮大な銀河の中、遺伝子もしくは何かの「気」みたいな人間の意志を越えた物質、それが自分に乗っかっている。生きることも死ぬことも一人一人にとっては大きな問題ですが、大きな宇宙の中では理不尽で美しい運命に過ぎないという思想。極めて俳句的な感性をたたえた作品だと思いました。
 
 
千年の古都に魔の棲む紅葉かな   内平あとり
 
 
 摂津幸彦さんの作品「殺めては拭き取る京の秋の暮」や、三橋鷹女「この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉」を思い出しました。あまりにも美しいがゆえに、禍々しささえ感じさせる紅葉。掲句はその雰囲気を無理の無い言葉で描いているように思います。
 
 
(その3へつづく)

2014年12月9日火曜日

『おヨネが読む』 ~第16回の句会から~ (その1)



『 おヨネが読む 』 (その1)


 ~第16回の句会から~

栗山 麻衣
 

 
 いやーん。みなさま、ごぶさたしておりマス。栗山麻衣でございます。さて、秋も深まりっつうか、冬に入りましたですね。全国各地でゆるキャラ祭なんかも開かれているようですが、ワタクシが応援しているのは断然「むすび丸」。おむすびモチーフ。宮城が産んだアイドルでございます。かわゆかなんですのよ。つうわけで、お米大好き!おヨネが読む。またもや至らぬ鑑賞になるかと思いますが、なにとぞよろしく夜露死苦世路詩句。


寧日の七癖たたみ秋扇        猿木 三九


 何事もなく安らかな日、作者は秋扇をたたみました(←って、いきなり俳句あるふぁっぽくなってるよ!)。しかし、無くて七癖つうぐらいで、扇にも作者にも当然どこかに癖があります。ワタクシ脱いだらすごいんです!ってやつかも…。端正なようで妄想をかきたてる一句でありマス。


談春の声音七色菊日和        遠藤ゆうゆう


 これは落語好きな方ですね。一人芸にはその人の人間性が色濃く表れる気がします。七色の声という表現に、菊日和という物みな鮮やかに見える麗らかな秋の一日。取り合わせが絶妙です。ちなみに高座を拝見したことはないのですが、ワタクシ、談春エッセー「赤めだか」のファンでありマス。入門から二つ目になるまでのあれこれを書き、一筋縄ではいかない師弟愛や人間のおかしみ、けなげさを感じさせる名著でした。
 
 
火のふるへ大地のふるへ猪通る   安藤 由起


 作者は猪の動きに、大地の躍動感を見ているのかな。火は地上で燃えている火を指すのではなく、地球が内部に抱えている火を指しているように思います。何の火か詳しく書かないことで、逆にそうした根源的な火を思い起こさせることに成功したのではないでしょうか。ダイナミックな作品。


湯豆腐に喫水線の波立ちぬ      橋本喜夫


 喫水線という言葉には船出感、これから感があり、青春性があるように思います。そこに湯豆腐という、なんか枯れたお食事、しみじみ系のお食事を持ってきたところがビックリ。こう書かれると、湯豆腐もけっこうアグレッシブな食べ物なんだなあと気付かされます。ちょっとした言葉のあっせん(←こういう使い方でいいのかな)で、全然違う世界が立ち上る。俳句の妙でありマス。
 
  
(その2へつづく)
 
 
 

2014年12月8日月曜日

『おヨネが読む』がはじまります!


俳句集団【itak】事務局です。


ご好評の『読む』シリーズです。
今回は『ムッシュが読む』に続きまして
『おヨネが読む』をスタートします。

第16回俳句集団【itak】の句会には今回122句が投句されました。
その中から当会幹事・『おヨネ』こと栗山麻衣が
毎回心の赴くままに選んだ句を読んで参ります。

前回同様、ネット掲載の許可を頂いたもののみを対象といたします。
掲載句に対して、あるいは評に対してのコメントもお待ちしております。
公開は12月9日(火)18時からです。ご高覧下さい。

☆栗山麻衣(くりやま・まい 俳句集団【tak】幹事 銀化、群青同人)