2016年10月27日木曜日

第28回イベント 講演会『うちらには日本語がある』

 
 

 俳都松山の出身のくせに、またそれゆえに俳句はずっと敬遠していました。7年ほど前に縁あってしばらく参加した句会では、作品が説明的すぎるとよく評されました。異文化間の人と人との意思疎通を図る通訳、翻訳仕事の職業病が出たのだろうと思います。俳句は読み手に想像させてこそ飛翔するものなのに、きちんと伝わったかどうかが心配で、ついつい言葉を重ねてしまうのです。今回は皆様にお話しするなか、言わずもがなを言ってしまうという無粋を身をもって示すことで、創作上の反面教師として頂きたく思います。通訳、字幕翻訳、執筆など、一生を二つの言語との恋愛や格闘に費やしてきて思うこと、それは人を形作る根幹にある母語のかけがえのなさです。日本語の奥深さに出会えるのが、私にとっての俳句の魅力。この贅沢を皆様と共に貪る11月12日を楽しみにしています。

*と き 平成28年11月12日(土)午後1時~4時50分
*ところ 北海道立文学館講堂(札幌市中央区中島公園1-4)
*参加料 一般500円、高校生以下無料


◆第1部 講演会 『 うちらには日本語がある 』

       講 演  山之内 悦子(通訳者、講師)


◆第2部 句会(当季雑詠2句出句・投句締切午後1時)
◆懇親会のお申し込みもお受けします。



やまのうち・えつこ 愛媛県生まれ。

子規が学び、漱石の『坊っちゃん』の舞台となった高校を卒業後、慶応義塾大学英文科に進む。在学中にカナダの大学に一年間留学したことが縁で、卒業、就職後バンクーバーに30年来在住。アジア系移住者として少数者問題に長く関わった後、ブリティッシュ・コロンビア大学で教育社会学を学ぶ。修士課程修了。通訳・翻訳・文筆業のかたわら日加両国で通訳者養成講座の講師を勤める。著書に山形国際ドキュメンタリー映画祭での四半世紀の通訳経験を基にした『あきらめない映画』がある。

※当日は著書の頒布会も行います。休憩時間にお求めください。





 

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