2016年1月14日木曜日

俳句集団【itak】第23回イベントを終えて


俳句集団【itak】第23回イベントを終えて

『学校祭展示再現と高校の文芸部の活動紹介』

~俳句を愛する人たちの個々の力を信じて~
 
五十嵐秀彦


 

 
俳句集団【itak】第23回イベントも盛況裡に終了しました。
1月9日という開催日を考えるとあまり多くの参加者は見込めないのではとも思っていましたが、蓋を開けてみれば55名という結果で、私たち裏方としてはうれしいやら驚くやらでした。
 
今回は第1部の企画を琴似工業高校文芸部の皆さんにお任せしたため、いつもより高校生の参加が多かったのが大きな特徴となりました。
琴似工業高校4名、小樽潮陵高校3名、そして初参加の創成高校3名の計10名。そして琴工OBも1名参加という具合に、大変若々しい顔ぶれが中高年の俳人たちと句座をともにするという実にitak的で理想的な内容となったと考えます。
 
私たちは、itak創立のときから、あえて組織を作らず流動的な運動を展開することで、硬直してしまっている北海道の俳句の世界を揺さぶり、新しい血を流入させ、活気ある文芸の状況を作り出すことを目的としてきました。
その目的の実現は、けっして容易なことではないかもしれませんが、私たちはあきれるほどのオプティミズムで毎回のイベントを参加者とともに愉しんでいます。
 
さて、2016年も活気あるイベントで幕は上がりました。
琴似工業高校の文芸部顧問の佐藤啓貢(天啓)先生の軽妙な司会に、生徒たちが答えながら高校文芸部の活動内容を私たちに説明してくれました。
そして会場には四方の壁のいたるところに文化祭さながらに生徒さんたちの文芸作品が展示されているのです。
小説、詩、短歌、もちろん俳句、それらの作品を見て、彼ら彼女らは今、光り輝く時を生きているのだと感じました。その光の中で文芸に出会ったことを、ただ単純にすばらしいと言えば大人の感傷にすぎないのかもしれませんが、きっと一人ひとりのこれからの人生に大きく影響することは間違いないでしょう。
また、今回のitakでの発表は、高校生たちにとって貴重な体験として記憶されるのかもしれません。
 
【会場展示作品から(俳句のみ)】

黄昏や菜の花畑の波高し         田中 悠貴
風花や青き時代の写真越し       風間  弥
路地裏に線香花火の陽が落ちる    新川 託未
鈴の音を読み上げている南風かな   宮川 双葉
戦跡やレモン畑の大群生        村上 海斗

第2部句会は、前回に続き今回も、わたくし五十嵐と橋本喜夫さんの凸凹コンビ司会となってしまいましたが、十代から八十代まで句歴もさまざまな人たちによる言葉の競演を参加者みんなで愉しむことができたと思います。
句会作品については別にブログにUPいたしますので、お読みください。
 
イベント翌日、10日は愛媛県松山市で「まる裏」俳句甲子園(大人のためのもうひとつの俳句甲子園)」が開催されております。
実はそこにitakの鈴木牛後さん、高畠葉子さん、久才秀樹・透子さん夫妻、天野浩美さんが参戦いたしました。
詳報は後日となりますが、牛後さんの句が予選最優秀句となり、チームも予選一位で決勝進出。決勝トーナメント第1で惜しくも敗退はしたものの、鮮やかなデビューを飾ったことを、ここで合わせてご報告いたします。

「まる裏」の仕掛け人の夏井いつきさんから、「北海道からの参加で「まる裏」も全国区になった。北海道勢は会場でも大人気だった。」といううれしい言葉も直接届いております。
四国の松山と北海道の札幌、このふたつの地で、中央とは異なる独自の俳句活動が展開していることはけして偶然ではありません。
俳句を愛する人たちの個々の力を信じようという新しい潮流がうねり始めている手応えをそこに感じています。
これまで、itakに参加したことのない方々にも、北海道札幌の地で立ち上がった新しい文芸運動の目撃者となり当事者になって欲しいと願います。扉はいつも開け放たれています。
 
次回は3月12日です。
現代の「演歌師」、平成の添田唖蝉坊と呼ばれる岡大介さんのトークとライブ・ショーが予定されております。
itak発足4周年を飾る実にitak的な型破りの「座」となることでしょう。
お見逃しのないよう、これからの情報にご注目ください。

 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿