2014年2月11日火曜日

「冬帽のぬくもり 」   木村 杏香







☆木村杏香(きむら・きょうか)
 1997年生まれ。旭川東高校年生
 俳句甲子園第16回出場。


7 件のコメント:

  1. 「月を生む…」 爪と月のアナロジーがいいですね。「つ」の頭韻の怜悧な感触も素敵。

    「除光液…」 除光液は使ったことがないが、この感覚は理解できる。女性ならではの感覚。

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  2. 「月を生む」の句。私も爪と月のチョイスに注目した句だ。私の勝手な想像だけど、その時の月の形は三日月かな? 爪を切ると三日月の形に切れるので(笑)

    「母からの」の句。「おでんが待ってます」というフレーズが好きです。擬人法は見慣れると飽きると言われているが、個人的には飽きないかな。温もりを感じさせるいい句だ。

    私の歳も堀下君と変わらないので気軽に話が出来ると良いですね。また【itak】参加の時はよろしく!(琴工 枢)

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  3. 輪郭のうっすら残る冬夕焼

    何の誰の輪郭かは何も書かれていない。
    それだけにそこはかとない思いが残る。


    月を生むやうに爪切る夜半の冬

    成る程。<爪切る>という冬の夜の何気ない動作も
    詩になるのですね。

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  4. 裏返す鯛焼きを右へ泳がす

    あなたの手によって鯛焼きに生命が吹き込まれた。
    裏返して右へ。温かな幸せの魔法。

    タイトル、難しいよね。
    これによって整ったものと削がれたものがあるんじゃないかな。
    もちろんそれは、自省としての一言でもあるわけなんだけれど(^^;

    一句でも俳句、十句でも俳句。
    ひとつひとつは短いけれど、俳句には奥行、底の深さがありますね。

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  5. 松王かをり2014年2月12日 15:06

    「月を生む」の句、三日月が「つぎつぎと」生み出されていく不思議、単に爪を切ることを「月を生む」としたことで、日常の中に潜んでいる、不思議なポケットを覗いたような気がした。

    「鯛焼き」の句、こちらも見事な手つきで「つぎつぎと」鯛焼きが作られていく不思議を詠んだ句。作者は「つぎつぎと」生み出されていくものに心を留めるような感性を持っているのではないだろうか。鯛焼きをひっくり返す動作を、「右へ泳がす」としたところも作者ならではの表現で面白いと思う。

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  6. 冬帽を揺らしステップの復習

    今は、ダンスの授業があるんですよね。
    現代の高校生らしい句だなあと思いました。

    初写真みんなおんなじ口してる

    微笑ましい。お正月に一家で写真を撮るなんて、いいご家族。

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  7. 輪郭のうっすら残る冬夕焼
     わるくない

    月を生むやうに爪切る夜半の冬
     わるくない。爪と月の相似性

    裏返す鯛焼を右へ泳がす
     俳句甲子園だと泳ぐと鯛焼きで季重なり。
     後半は空へ飛ばしたるでいい

    母からのメール「おでんが待ってます」
     これでいい

    ストーブの前でココアを回し飲む
     できている。傑作ではないが

    除光液残る指より寒に入る
     いいのだが、冴え返るのほうがいいかも

    ポケットにサブレ一つのスケート場
     できている

    マスクして今日のあなたは無口だね
     ぼやかした方がいい、人称不要。
     後半は今日はいつになく無口でいい  

    かぞへうた歌へば揺るる冬木の芽
     できているが、常套面白くない

    トランプの一手を迷う大晦日
     去年今年とした方がいいか

    初つけてすべて特別年新た
     特別がちょっと詩的でない。「すべて鮮やか」でどうか

    賀状来るポストの底を響かせて
     できている

    初日記未来のことの多くなる
     できてるが常套。「未来の余白減らしたる」くらいで

    初写真みんなおんなじ口してる
     これはこれでいい。


    (※事務局註:俳句甲子園に勝つための添削を頂きましたので事務局が代理で投稿しました)

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