『 かほるんが読む 』 (その2)
~第6回の句会から~
小 笠 原 か ほ る
三月の地吹雪とこそ掻き抱く
ぼちぼち春の兆しが感じられてもいい頃なのに、 まるで真冬に戻ってしまった
様な今年の北海道の雪。なごり雪なんてものじゃなく本降りなのだ 。
でも三月なのだから、あと少しの辛抱と自身に言い聞かせているよ うに思う。
屋移りを了へたる庭にダリア植う
何かと移動の多い春。進学、就職、転勤。 特に子供が家を出て一人住まいを
始めるお宅は大変だ。 しかしこの句はそういう移動ではないようだ。
庭にダリアを植えたという。どんな思いを抱き植えたのだろう。
ダリア・・ ナポレオンの妃ジョセフィーヌがバラに加えて収集に情熱を
傾けていた花。
日に百度溜息つきぬいぬふぐり
いぬふぐりの事を少し調べてみた。そこで、溜息をついているのは
作者なのかそれとも可憐な花には似合わない名を付けられたいぬふ ぐりの
溜息なのか( 実際に人は日に何度くらい溜息をついているのだろう・・・)。
しかし、百度は多すぎないのかな・・・もし作者の溜息だとしたら、
何だか・・・勝手に心配になってきた。
淡雪や薄らとつもる手稲山
この冬、手稲山にもずっしりと積雪があったに違いない。
それでも春晴れの日の風はどこか少し暖かく足元ばかりを
気にしていた目線もようやく辺りの景色を愛でながら歩ける様にな るのが
淡雪の頃なのだ。しみじみと山を眺めて詠んだ一句なのだろう。
(つづく)
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿