去る4月6日、第23回中北海道現代俳句大会に於いて、【itak】参加者である瀬戸優理子(せと・ゆりこ)さんの第14回中北海道現代俳句賞の顕彰が行われました。許可を頂いて、作品を掲載させていただきますのでご高覧くださいませ。
また同日同大会に於いて、旭川東高校の荒井愛永(あらい・まなえ)さんの「手ぶくろをはかずに君を待っている」が札幌市長賞を受賞しました。【itak】からの本大会の案内メールがきっかけで応募されたそうで、両者ともにご縁を強く感じるものです。
瀬戸さん、荒井さん、改めまして受賞おめでとうございます。
「結婚指環」 瀬戸 優理子
覚め際に馬の嘶き春の雪
芹噛んで透きとおる声賢治読む
桃の日の少女返事す揺りかごに
皿沈む水のゆらめき春愁い
朧夜の背中のファスナーひっかかる
ラストシーン十秒前の青嵐
夏の浜すとんと脱げる服を着て
夫いない夜揺れている冷奴
夜濯ぎの結婚指環泡立ちぬ
遠花火ぽかんぽかんと舟を漕ぐ
秋暑し瞬きもせず兎の眼
団栗や音階が野に溢れだす
十六夜の光の櫛で髪を梳く
鬼灯や全身染まるまで黙秘
さよならをなめらかに言うのどぼとけ
門限に帰りそびれし寒三日月
手鏡に手で蓋をする去年今年
粉雪のように米舞う中華鍋
如月の受話器に当たる耳の骨
この生傷荒星として輝かす
瀬戸優理子 blog 癒詩空間
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