句集『龍宮』の一句鑑賞
岩本 茂之
三・一一神はゐないかとても小さい 照井 翠
勤務地の岩手県釜石市で東日本大震災に遭遇した高校教諭の作者。
句集は津波の被害者への鎮魂の気持ちを表したもので文学界でも話
照井さんは「あとがき」に次のように記している。
「戦争よりひどいと呟きながら歩き回る老人。
掲句はまさにそうした作者の絶望感を素直に詠んだものだ。
「神はゐない」だけでなく「とても小さい」のだ。
それは地獄を眼に焼き付け、
神は小さい――。神の概念は人それぞれ実に様々だ。
だから地球は時に平気で私たちを裏切る。
ところで札幌芸術の森美術館で今、「札幌美術展 アクア‐ライン」展が開かれている(2月16日まで)。
14人の美術家たちが「水」
山田良さんのインスタレーション「海抜ゼロメートル/
美術館の屋内に高さ2メートル、
40万年以上前、
繰り返すが、地球は時に平気で私たちを裏切る。
なのに3・11から3年もたたないうちに、
☆岩本茂之(いわもと・しげゆき 俳句集団【itak】幹事 北舟句会)
照井 翠 句集『龍宮』 角川書店
http://www.kadokawa.co.jp/product/321306000185/
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