2013年8月6日火曜日

【第八回人気五句・披講】



俳句集団【itak】です。
 

いつもご高覧頂きありがとうございます。
先日公開しました第八回句会【人気五句】の披講をいたします。
三句選で、天=3点、地=2点、人=1点の配点方式、( )内は配点です。
横書きにてご容赦くださいませ。

星ひとつ滅ぶ夢みて胡瓜揉む   小張 久美(16)
 
百年を生き切って逝く心太     室谷安早子(15)

月涼し碧き絵具を指で溶く     今田かをり(13)
 
朝もげば朝の顔した胡瓜かな   高畠 葉子(12)
 
一人居の誰に首ふる扇風機    田口三千代(11)
 
以上です。ご鑑賞ありがとうございました。
なお、実際の一位句は掲載許可をいただけませんでしたので以降繰り上げてご紹介させていただきました。
『やぶくすしハッシーが読む』掲載分の披講のあと、引き続き全句の公開をいたします。
ご高覧下さいませ。
 
 
 


2013年7月30日火曜日

人気五句@第八回俳句集団【itak】句会・20130713

 
 
 
 
※一位の人気句の掲載許可をいただけませんでしたので
 以降繰り上げてご紹介します。

2013年7月28日日曜日

俳句集団【itak】第8回句会評(橋本喜夫)




俳句集団【itak】第8回句会評
(『やぶくすしハッシーが読む』 ~第8回の句会から~)



 
2013年7月13日
 

橋本喜夫(雪華、銀化)

 

東京の学会があり、今回のイタックは失礼させていただいた。今回も盛会裏に終了したとのことで、めでたしめでたしである。さて、全く白紙の状態でさっそく、当日の句会での俳句原稿を送付いただいたので、とっとと評を加えてみたい。例のごとく、失礼、誤読はご寛恕ください。並選を○。特選を◎とさせて頂いた。今回は特別逆選●もサービスでつけた。●はある意味、逆のベクトルの特選と思って欲しい。

 

◎恋の字の心を隠し泳ぎけり

甘―いと言ってしまえばそれまでだが、若き日好きな子を含めてグループで海へ遊びに来たとしよう。ときめく気持ちを胸にしまってただひたすら、修行僧のように泳ぎつづける坊主頭の少年が目に浮かんだ。主題は甘いかもしれないが、さもありなん、リアルでもある。作者は恋の一字に心があることを改めて気づいたのかもしれない。どうせなら表記としてにしてほしかった。そうすれば、「絡まる糸にけじめをつける」という意味も含めて面白いのでは。それに象形文字としての漢字にこだわっているという作者の意図も表出できると思う。

 

○カーテンの汚れ目につく西日かな

西日があたったカーテン、日常は気づかない汚れが、夏の強い西日をうけて、目についたという句意。よくわかるし、夏の悔恨みたいものを感じさせる。中七の表現にもう少し工夫が必要かもしれない。

 

○冷し酒露になるまえ空にする

日本酒を冷やした酒壜の表面に露が結びまえにすべて飲み干してしまおうという句意にとれるし、もうすぐくる露の季節を前に夏を楽しもうという気分もあるだろう。冷し酒の句として少し変わった視点の句である。

 

○泳ぐなりひたすら己が影を追ひ

海での水泳ではないでしょう。プールで必死に泳いでいる景。たとえばクロールで泳ぐ場合プールの底に己が影が映るのを見ることがある。まだ余裕なく泳ぎ、必死にゴールを目指しているときにはこのような経験はリアルであり、共感できる。
 

○ファックスに黒い蝶々がまぎれこむ

ファックスの印刷に黒い汚れ、シミがつくことはよく認められる。それを黒い蝶とメタファーした。ただそれだけではあるが、まるでそのファックスの内容までメタファーしているような、深読みをさせる俳句でもある。
 

○セロファンと硝子の間空蝉は

これも空蝉、セミの殻の質感をセロファンと硝子の中間くらいであると定義している。質感としてのあやうい感じをあやうい断定で面白くしている。
 

○紫陽花はきつと二日酔いを知ってる

この断定も面白い。十分に納得させる断定ではないが、だからこそ面白い。見立ての句は独りよがりがよいのである。もちろん紫陽花は七変化でもあり、顔色もくるくる変わるし、二日酔いを知ってるかもしれないのである。
 

○萍やわかりましたとすみません

やで切れているので、取り合わせなのであるが、浮き草のなかにはいろんな顔つきや、風情のやつらがいて、その中で少し水に埋没して「すみません」と言ってるやつや、全長すべて浮かべていて「わかりました」と言ってるやつらもいる。そんなふうにみると、浮き草の景もわれらの職場や社会の景に似ている。部下のなかには確かにこの二言しか言わないやつもいる。
 

◎月涼し碧き絵具を指で溶く

一読気持ちのよい句である。月涼しの季語の斡旋のよさであろう。俳句は季語で70%決まると、かの藤田湘子がテレビで言っていたが、その通りかもしれない。残りの十二文字を「碧い絵具を指で溶く」という具象的な景を持ってきたのも成功した理由である。碧い絵具たとえば水彩でもよいが、指でさーっとなぞると、描かれる淡い夜の闇の景が夏の月を気持ちよく浮かび上がらせる。
 

○夏椿私を捨てて朝が逝く

夏椿は6月頃、山地に咲く自生の落葉高木。白い花を一個一個咲かせて、開花してすぐ散るのが特徴である。おそらく私を捨ててと表現しているから、すぐ散ってしまった景を詠んだのではないか。もちろん夏椿で切れて、みずからの心象風景を詠んだともとれる。朝が逝く がフックの効いた言葉である。
 

○渦巻のタイムマシンに火を着ける

季語がないなどと無粋なことは言わない。蚊取線香を渦巻のタイムマシンと呼んだ。それだけで佳いではないか。3歳の童のような比喩がとても効いている。確かに子供の時、寝る前に蚊やりに火を着けるとき、これから一晩の間の未来を守ってくれる心強い、眠りの旅の味方のような気がしたものである。
 

○炎天にレンガ煙突たぢろがず

炎天にレンガ煙突をもってきた、素材の良さを頂いた。ただたぢろがずだとそのままになってしまう。私の生家は銭湯で、幼少時しばらくの間はレンガ煙突であった、それゆえとても共感したのであるが、やはり「たぢろがず」が問題だと思う。たぢろいだほうが面白いと思う。「ゆらゆらす」でも佳いのだ。
 

○しほさゐや夙(つと)に蜂起の雲の峰

海の近く、潮騒を聴いている作者がいる。沖に目をやると早朝からすでに不穏な雲を見ている。すでに蜂起をはじめているように見える。雲の峰の不穏さと、字面からいう夙という字の不穏さ。潮騒という気持ちのよい景からの展開の速さがよい。
 

○電車待つ海霧迫りくるホームにて

何気ない景の切り取りなのであるが、やはり不穏な景である。説明的な中七以下が興をそぐ感じはいなめないが、電車待つというとても普通の動作が逆に説明くささを相殺して、リアルなものに仕上げている。白糠駅や、昆布森駅、別保駅などを思い出す景だ。
 

○花茣蓙や乳房たちたわわに笑へ

花茣蓙に座って、豊満な乳房を並べて元気に笑っている景は確かに見える。がやはりこれは夏まっさかりの景として肯える。そういう意味で西東三鬼の句を思い出すことができるが、やはりテクストとしての「おそるべき君等の乳房」のフレーズが気にならないわけではない。それと「たわわ」があまりに安易ではなかろうか。確かに私ごのみの句材ではあるが...もっと何とかなる。もっと良くなる句である。
 

●フライミートウザムーン不義の恋にも飛ぶべし乙女

さすがitakである。まだこんな無茶するやつがおったか!という感じ。私の逆選はこの無茶なチャレンジ精神にたいするオマージュである。「私を月へ連れて行って」という真っ当な恋の歌詞に、七七をつけた。むしろ短歌的抒情である。作者はfly me to the moonを3音で読み下し、あとを14音でつけたつもりだろうが、無理がある。全うな恋に不義の恋を並列して、しかも乙女に不義の恋をけしかける毒も内包している。毒を内包している点は川柳的発想もある。発想の面白さがあるが、表現したいことを全部表現するなら他の詩型を選択すべきであろう。なお、エヴァンゲリオンに関連している歌だそうだが、私には関係ない。

 
 
※今回の句会評は 『やぶくすしハッシーが読む』 ~第8回の句会から~を兼ねるものといたします。作者の披講は別途記事にて。
お盆前進行でブログがゆっくり進行となっております。次回は人気五句、以降は投句・選句の一覧の公開の予定です。悪しからずご寛恕くださいませ(事務局)。

2013年7月25日木曜日

【インタビュー  札幌戦後文化史を見てきた男】


俳句集団【itak】事務局です。
当会幹事である山田航さんによる中森敏夫さんへのインタビュー企画のお知らせです。
日曜の午後、どうぞお立ち寄りくださいませ。


インタビュー 
札幌戦後文化史を見てきた

出演 中森敏夫、山田航

2013年7月28日(日)14時~
入場無料、事前予約制。

メール tolta2106@yahoo.co.jp まで
お名前、人数、連絡先をご記入の上お申込下さい。
定員10名。お早目にどうぞ。

会場  テンポラリースペース中森
    札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向


【インタビュイー】 中森敏夫

ギャラリー「テンポラリースペース」オーナー。老舗花器店「中森花器店」の経営者のかたわらギャラリーを運営。現在はギャラリーに専念。


【インタビュアー】 山田航

 
歌人。著書に歌集『さよならバグ・チルドレン』(第27回北海道新聞短歌賞、第57回現代歌人協会賞)、『世界中が夕焼け―穂村弘の短歌の秘密 』(穂村弘との共著)。北海道新聞で「山田航の札幌モノローグ紀行」連載中。


内容

札幌市大通生まれ、「シティボーイ」の少年時代/文学青年時代、東京での学生生活/札幌での経営者時代、バブル期の思い出/ギャラリーを始めようと思ったきっかけ/暗渠の上を歩く、「界川遊行」の思い出/石狩川河口での舞踏、「大野一雄 みちゆき」の思い出/吉増剛造との交流/テンポラリースペースでの、とりわけ忘れられない思い出深い展覧会/現代の札幌文化の状況について


企画 山田航
ブログ(トナカイ語研究日誌)


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2013年7月23日火曜日

俳句集団【itak】第8回イベントを終えて


俳句集団【itak】第回イベントを終えて   五十嵐 秀彦


~精志さんはまるで李白のよう~








俳句集団【itak】第8回イベントは、予定どおり7月13日(土)午後1時からいつもの道立文学館講堂で開催されました。
今回の第1部の企画は、栗山町の造り酒屋・小林酒造で専務をおつとめになっている小林精志さんを講師に迎えて「日本人はなぜ日本酒を育んだのか~知られざる日本酒の世界~」と題した日本酒の講演をしていただきました。
 
第1部講演の参加者は42名。
 
小林さんは、聴く者をひきつける独特の情熱的な語り口で、私たちを知らぬうちに日本酒造りの歴史の川にいざなってくださいました。
その内容は近日中にこのブログにアップする予定なので楽しみしてください。
 
それにしてもこれほどまでに酒造りに没頭している人が造るお酒はどんなにおいしいだろうか、と思うことをまるで予想していたかのように、試飲用の日本酒の瓶が何本も会場に並んでいたのでした。
 
小林さんの御厚意です。
 
道立文学館なので、酒盛りをするわけにはいかないながらも、みんなちょっぴり顔を赤くして、いい気持ちになりながら小林さんの雄弁な日本酒論に聴き入りました。
俳句のためのイベントでなぜ日本酒?と思われた方もいるかもしれません。
 
しかし、俳句は私たちの暮らす世界、私たちの生活の中からしか生まれてこないことを思えば、あらゆるものが俳句の糧となるはずです。
 
狭い世界にこもることなく外へ外へ、というitakの姿勢を考えると、これからもこうした一見すると文芸とは直接関係の無いような分野の企画もどんどんやっていって、座をともにする一期一会の連衆とともに勉強していこうと思っています。
 
 
今後の企画について、まだ詳細未定ながら発表しておきます(変更になる可能性もあることをご了承ください)
 
 
★第9回イベント(9月14日)は、札幌琴似工業高校文芸部の生徒さんたちに第1部企画をまるごと任せるという大胆企画。
同校文芸部は、石狩の句会・尚古社の歴史や、伝説の俳人・井上伝蔵に関する独自の研究をしてます。そのことに関した発表を軸にして自由に研究発表をしてもらおうという内容です。
 
 
ぜひ多くの人に聴いていただきたいと思っています。
 
 
★第10回イベント(11月9日)は、札幌在住の詩人・矢口以文さんの自作詩朗読会です。氏は詩集『詩ではないかもしれないが、どうしても言っておきたいこと』の著者。
 
同書を読ませていただき、私は文芸における勇気の存在について考えさせられました。
 
 
★第11回イベント(2014年1月11日)は、東京で積極的な音楽活動を展開している久保田翠さんの音楽トーク(どういう内容になるかまだ未定)企画。
 
久保田さんは、itakの仲間である久保田哲子さん(第7回イベントで講演)の御令嬢で、気鋭の現代音楽家として注目されている表現者です。
itak初の音楽企画として大変楽しみです。
※1月のイベントは都合により札幌市資料館・研修室(札幌市中央区大通西13丁目)に会場を移しての開催となります。ご注意下さいませ。


 
 
さて、今回の第2部の句会はそういうわけで第1部のほろ酔いをそのまま継続した雰囲気で、大変楽しい座となりました。句会の参加者は41名。
その様子についてもブログにこれからアップしてゆくので楽しみにお待ちください。
 
またイベント後には小林酒造直営店の「七番蔵」にて懇親会も実施。多くの方が参加してくださり、楽しい一夜を過ごしました。
今後もできるだけ懇親会をセットしてまいります。ぜひそちらにもご参加ください。
itakはこれからも俳句という文芸の素晴らしさ、面白さを多くの方々と共有するための企画を続けます。
どうか、これからも皆さんの積極的参加と提言をお願いいたします。
 
 
 
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