11月9日開催の第46回イベントは70名ほどのご参加を頂く大盛況でした。
第一部「出張!サブカル句会」ではみなさんにご投句頂いた
現役あるいは懐かしい北海道弁を中心とした方言俳句を150句あまり並べ
広い北海道の中でもさらに地域によってやや違う北海道弁の数々を肴に
小林エレキさん・田島ハルさん・五十嵐秀彦代表がゆるゆるとトークする
実に楽しい企画となりました。
抄録等はさておきまして、当日披きました句の一覧を公開しますのでご笑覧下さい。
投句総数159句、投句者数47名(うち道外者数8名・17.0%)、道外弁3句・1.9% 。
3名の選者が抽出した句は23句、三人選が重なったのはNo.34松山帖句さんの句でした。
全道・全国のみなさまから広くご投句頂きましたことに深謝いたします。
※「角食」が北海道弁との確認が当日にずれ込んだため、1句目をNo.0としました。
※太字部分は方言
No. | 句 | 作者 | 居住地 | 方言 |
0 | 厚切りの角食香る文化の日 | 奈良香里 | ? | |
1 | 憂き事や手袋はいてただ歩く | 川崎淑子 | ||
2 | 豆苗のおがる窓辺や秋うらら | 小路裕子 | ||
3 | うるかすの米も小豆も能面も | 藤原ハルミ | ||
4 | 秋耕やたまに働きこわいこわい | 林 冬美 | ||
5 | こわいっしょ何と答えんそぞろ寒 | 古川かず江 | ||
6 | ススキノの泡にうるかす秋思かな | 北野きのこ | ||
7 | 秋の鞦韆闇が「押ささる」と言ふ | ゆうき弓雄 | ||
8 | はんかくせぇいづいめっぱのマスク顔 | 藤浪久三 | ||
9 | 秋深し茶飲み話もいんでないかい | 林 冬美 | ||
10 | なんもさと云はれ勤労感謝の日 | 鴨 々 | ||
11 | 干柿のはぶててS字フックかな | 山本哲史 | 岡山 | 岡山弁 |
12 | 野分立つつらつけなさよじょっぴんかる | 鴨 々 | ||
13 | 前足に手袋を履きヒトとなる | 栗山麻衣 | 三重 | |
14 | 鮞のおにぎりばくろ海老マヨと | 望月よし生 | ||
15 | 初雪や寺田京子の句碑凍れ | 藤森そにあ | ||
16 | したっけと黄葉の道小さな手 | 田中 勲 | ||
17 | 瀬を急ぐ木の葉山女魚のピリカかな | 洒落神戸 | ||
18 | あずましくなくて初雪融けて恋 | 鈴木牛後 | ||
19 | すずめたちばくりあってる案山子かな | 白樫かなず | ||
20 | 俺ゲッパJBゲロッパ狂咲 | 司 啓 | 兵庫 | |
21 | 寒北斗いいふりこきの父の逝く | 三品吏紀 | ||
22 | 小判とは「御主も悪よ」凍れかな | 望月よし生 | ||
23 | 納屋も馬屋もじよつぴんしたまま秋のかぜ | 小路裕子 | ||
24 | 雪しまきごくもそ言って馬撫でる | 白樫かなず | 不明弁? | |
25 | あやつけてかんこ蹴らさるにわかラガー | 鴨 々 | ||
26 | パンツまでびしよびしよでわや大颱風 | 三品吏紀 | ||
27 | 玄関フード秋虫の勘違ひ | 望月よし生 | ||
28 | どんぐりに「なまらめんこい」連呼す君 | 新海 茜 | ||
29 | 過去形でおばんでしたと十三夜 | ゆうき弓雄 | ||
30 | じょっぴんを掛け開け掛け開けして根雪 | 鈴木牛後 | ||
31 | 寒蝉の遠くかしがるゴッホの絵 | 岩のじ | 愛知 | |
32 | 冬の子の全身サビオでも笑顔 | 山田 航 | ||
33 | 月眩しいいふりこきも底をつく | 村上海斗脂多め | ||
34 | わかさいもって芋入ってないっしょ | 松山帖句 | 愛媛 | |
35 | うるかして呑む嘲りも流星も | 北野きのこ | ||
36 | 冬隣なあんもしてねわやだべさ | 花 丸 | ||
37 | バイキオーライ!見習いガイド秋空へ | 藤森そにあ | ||
38 | 火恋し微罪の指に巻くサビオ | 土井探花 | ||
39 | 木枯の身にじぇんこ無しべんこふる | 鴨 々 | ||
40 | 秋の暮じょっぴんかって酒場まで | 林 冬美 | ||
41 | 天高く母は元気であずましい | 川崎淑子 | ||
42 | どかゆきを雪女郎のせいにして | 白樫かなず | ||
43 | こわいって言うから檸檬煮ておいて | 三島ちとせ | ||
44 | ジョッピンカル棒とジョンバの立てり冬 | 安田中彦 | ||
45 | ただいまを待つごしょいものほっくりと | 小路裕子 | ||
46 | 寒稽古がおる男の叫び声 | 白樫かなず | ||
47 | したっけさなまら亀虫いるだべや | ひでやん | 愛媛 | |
48 | 濁酒飲み転倒負傷わやな夜 | 千鳥足 | ||
49 | はんかくさいほどのおみやげ豊の秋 | 林 冬美 | ||
50 | あきあじはアイヌモシリの神の物 | 村元幸明 | ||
51 | 途切れぬ枯野じょっぴん掛け忘れし車窓 | 鈴木牛後 | ||
52 | 靴下をはく手袋をはくそして罪をはく | Fよしと | ||
53 | したっけさあに続く小言や神無月 | みこと | ||
54 | たんぱらな父のねまって待つ氷下魚 | 藻池夜鯉 | ||
55 | 手袋を履きし手を出しばくりっこ | 藤森そにあ | ||
56 | 灯火親しイランカラプテおばんです | 窪田瑞星 | ||
57 | 過ぎたれば口にじょっぴん紅葉酒 | 望月よし生 | ||
58 | ごんぼほりしてデレッキで叩かれる | 藻池夜鯉 | ||
59 | ばっち子のだはんこいたる負相撲 | 鴨 々 | ||
60 | 鳥渡る地名に別がなまらある | 三島ちとせ | ||
61 | 七五三めんこにじぇんこあげらさる | 鴨 々 | ||
62 | 冬支度ちゃんちゃんこ買う無印で | 白樫かなず | 赤津弁? | |
63 | カムイらの絵の具をまかし山粧う | 田中 勲 | ||
64 | 雪蛍手になまらいい今日になった | 林 冬美 | ||
65 | 月天心なまら女装の似合う顧問 | 村上海斗脂多め | ||
66 | ノルベサに「乗るべさ」と叔父秋寒し | 鈴木牛前 | ||
67 | つっぺした内縁の妻食うおでん | 福井たんぽぽ | ||
68 | 椎の実をばくりっこしておままごと | 新海 茜 | ||
69 | 塩っぱいよ中島みゆき蝦夷の秋 | 藤森そにあ | ||
70 | あずましや蚊や蠅飛べぬ末の秋 | 望月よし生 | ||
71 | ゴミ投げももうパーカーを羽織る頃 | 村上海斗脂多め | ||
72 | 起きて来ぬ父や残暑に押ささる戸 | 北野きのこ | ||
73 | 山葡萄ジュースのはずがタフランケ | 藻池夜鯉 | ||
74 | でれすけが方屁虫捕まえて嗅ぐ | り あ | 札幌 | 栃木弁 |
75 | 羚羊の鼻息首筋のサビオ | 福井たんぽぽ | ||
76 | 愛犬もかててゲロリや冬晴るる | 安田中彦 | ||
77 | ねっぱつくびんこの口の濁酒かな | 鴨 々 | ||
78 | 銀漢や汽車の切り裂く石狩野 | 村上海斗脂多め | ||
79 | 雪虫がいたよなんだかあずましい | 林 冬美 | ||
80 | だはんこく有象無象や枯葎 | 望月よし生 | ||
81 | 飯あめるはんかくささよ秋の蠅 | 鴨 々 | ||
82 | をなご来てをのこおだてば尾花散る | 鈴木牛後 | ||
83 | 重ね着のゴムたごまっていずぃいずぃ | 藻池夜鯉 | ||
84 | 寒蜆身引きちぎられてんこもり | 白樫かなず | ||
85 | ボアとダウンばくりっこして冬の浜 | 七瀬ゆきこ | 三重 | |
86 | どんぐりの背比べ黒くなるサビオ | 村上海斗脂多め | ||
87 | までなこと義母のつぶやき烏賊襖 | 古川かず江 | ||
88 | 秋灯下存在者の本あずましい | 林 冬美 | ||
89 | 日切焼買ってこうわい初紅葉 | 松山帖句 | 愛媛 | |
90 | どんぐりと小さき日向ばくりつこ | 栗山麻衣 | ||
91 | ウィンナーとザンギばくって運動会 | 中村みずほ | ||
92 | 食べらさると言うまでもなく肥ゆる馬 | みこと | ||
93 | おだちたる虚け諫めよ秋の雷 | 望月よし生 | ||
94 | 秋晴れやめんこい手足バタバタと | 川崎淑子 | ||
95 | 冷蔵庫開けて羆はおっちゃんこ | 頑黒和尚 | ||
96 | 初氷三面鏡に眼がなんぼ | 安田中彦 | ||
97 | なんもにはなんもとかえすねこじゃらし | 田中 勲 | ||
98 | そだねーの相槌欲す赤い羽根 | 窪田瑞星 | ||
99 | 末枯しちゃんこい犬に祖父引かれ | 白樫かなず | ||
100 | だはんこく牛しかりをり鰯雲 | 小路裕子 | ||
101 | しばれる夜君と交わしたる寒造り | 新海 茜 | ||
102 | だはんこきワタアメ買えと秋祭り | 小島慶子 | ||
103 | 新米のなまら美味くて食べらさる! | 中村みずほ | ||
104 | 銀輪の急ブレーキ雪来たベぇ | 高橋朴全 | ||
105 | しゃっこいとなまら歯に染む大ジョッキ | 頑黒和尚 | ||
106 | ねんねこに早も寝息のだはんこき | 小路裕子 | ||
107 | 闇汁におだてばわやとあまされる | 高橋ヨウ子 | ||
108 | 農具小屋じよっぴんかって秋惜しむ | 小路裕子 | ||
109 | 秋の旅みったくなしの孫を見に | 小島慶子 | ||
110 | あずましき寝屋にどんぐり落ちにけり | 鴨 々 | ||
111 | 露霜やタイヤ交換ゆるくない | 花 丸 | ||
112 | ありつたけサビオを壁に貼る夜寒 | 土井探花 | ||
113 | 秋紅葉君のハートがおささった | 白樫かなず | ||
114 | 行く秋や吾にがっちゃい立ち別れ | Fよしと | ||
115 | 雪虫が春の季語だとはんかくせ | 花 丸 | ||
116 | 紅葉かつ散る湯にひとりあずましや | 小路裕子 | ||
117 | 台風来じょっぴん飛んでわやだべや | 頑黒和尚 | ||
118 | 魚座のやうにぼつこ手袋つなぐ紐 | 藻池夜鯉 | ||
119 | 居酒屋でいいんでないかい冬籠 | 七瀬ゆきこ | 三重 | |
120 | 柿食えばなまら夕陽が山の端へ | 林 冬美 | ||
121 | おたのしみはこれからだべさ穴惑 | 窪田瑞星 | ||
122 | 夕霧や街街が消化しらさる | 島崎寛永 | ||
123 | 大きめの君のセーターもちょこくて | 新海 茜 | ||
124 | 虎落笛うるけた指の憂いかな | 上田美千代 | ||
125 | くしゃみして「やんやなした?」と気遣われ | 高橋ヨウ子 | ||
126 | 穴惑ひ二つに折りてつっぺかる | 鴨 々 | ||
127 | あずましい我が家のトイレ秋深し | 中村みずほ | ||
128 | おにぎりは筋子がいいとごんぼほり | 望月よし生 | ||
129 | だらせんのこったらべっこ秋じめり | 鴨 々 | ||
130 | 登校のマスクに隠す鼻つっぺ | 高橋ヨウ子 | ||
131 | べこっこ追う小さき身体や狗尾草 | 藤森そにあ | ||
132 | 深秋のサビオ剥がせば指輪跡 | 土井探花 | ||
133 | なんもなんもなんでもないよ秋の波 | みこと | ||
134 | デレキよりジョンバで叩くほうが好き | Fよしと | ||
135 | 手袋を履いて鯛焼き暖かし | 白樫かなず | ||
136 | 毬栗のごと我が妹のきかなさは | 新海 茜 | ||
137 | キツネがかじったトウキビ食べるヒトがいる | 鈴木牛前 | ||
138 | 寒月やじょっぴん炙るチャッカマン | 村上海斗脂多め | ||
139 | はっちゃこくわらんべおだつ運動会 | 鴨 々 | ||
140 | 一晩で秋から冬へばくられて | 林 冬美 | ||
141 | 七五三めんこい子らは調子こき | 花 丸 | ||
142 | 温め酒気づけば深夜わやな帰路 | 林 冬美 | ||
143 | 銀杏並木いいふりこきとそれ以外 | 栗山麻衣 | ||
144 | ぞろと来るめんこいおばけハロウィーン | 小路裕子 | ||
145 | はんかくさい母と娘の花カンナ | 窪田瑞星 | ||
146 | ゆるくない掃いたそばから降る落ち葉 | 藤浪久三 | ||
147 | 鮭だべさ嫌んなるほど上るべさ | 栗山麻衣 | ||
148 | 団栗をばくりっこして日が暮れる | 白樫かなず | ||
149 | じょっぴんをからずに月夜のもらひ風呂 | 中村みずほ | ||
150 | 緑児が秋の蓮のごとおっちゃんこ | 新海 茜 | ||
151 | 観覧車夜へうるかす秋雨かな | 北野きのこ | ||
152 | いなびかり妻をばくれと唆す | 栗山麻衣 | ||
153 | 七竈じょっぴんかってサヨウナラ | 七瀬ゆきこ | 三重 | |
154 | 黄落やおっきた猫の眠りゐる | 安田中彦 | ||
155 | 手袋を履くやあの子ともう一夜 | 北野きのこ | ||
156 | 踊りの輪押され押ささるもうわやや | 鴨 々 | ||
157 | きゃあきゃあと大根抜きの保育園 | 山田 航 | ||
158 | 天高くやき弁の湯を注ぎけり | 村上海斗脂多め |
出張!サブカル句会に参加させて頂きました愛知の岩のじと申します。
返信削除北海道弁の句を詠むという楽しい企画に参加させて頂きましてありがとうございました!
しかし、私の確認不足で投句時に居住地を記入し忘れるという失態をしてしまったためご迷惑お手数をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした。
31番の拙句、岩のじの居住地は愛媛ではなく、愛知でした。本当に申し訳ありませんでした。
それより何より、田島ハル様に取って頂けていたことにビックリ!ありがとうございました!
岩のじ様
返信削除コメントありがとうございます。
内容を修正しましたのでご確認ください。
北海道にお越しの説は是非、【itak】イベントにご参加くださいね。