『 やぶくすしハッシーが読む 』 (その2)
~第17回の句会から~
橋本 喜夫
道後の湯入れて橙なる初湯 木村 杏香
道後温泉の入浴剤であろうか。ありふれた家風呂でも初湯にせめて道後温泉の元を入れて、湯に浸かっている。気持ち良さとのどかさも出ている。橙色になった湯の色と匂いがとても想像がつく。
年明けて其の人の訃を知らされり 江崎 幸枝
そのままうけっとったとしても、実はいろいろなパターンも考えられる。正月から縁起が悪いわけであるが、仕方のないことである。其の人の がさりげなくうまいと思う。
透明な水飲んでゐる雪だるま 中西 亮太
とけると透明な水になるわけなので、はらわたが透明だとか、溶けて透明になるなどの把握はよくあるが、透明な水を飲んでいるから透明な水になって溶けて行く という発想は少し珍しいと思う。
年賀状この子の名前なんと読む 中村 幸二
元旦のちょっとして日常の切り取り。確かに子供の名前に懲りすぎて失敗するケースがなんと多いことか。親の自己満足でしかないのだが、すこしニヒルな切り口。
刃のふれる砥石の音や寒に入る 遠藤ゆうゆう
砥石の包丁の擦れる音、金属音に近い、歯軋りのような音と寒に入るの取り合わせ。よくある取り合わせではあるが、共感しやすい句ではある。
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