2017年4月18日火曜日

第31回俳句集団【itak】イベントのご案内




辺境からの文学の運動・発信を掲げて船出した俳句集団【itak】は、参加いただいた多くのみなさまの力によってこのたび5周年を迎えることができました。旗揚からこれまでの間、道内・国内のみならず遠来の方のご参加とイベントへのご登場を頂きました。またみなさまの中からも多くの方の各賞受賞や、その他の団体・地域の文芸運動との連携など、わたしたちの座のエネルギーはいかんなく多方面に拡散されつつあります。

今回5周年の節目を迎えるにあたり、いつものイベントではなく全員が参加できる形の企画をご準備しました。「吟行」といえば俳人のみなさんにはなじみの深いものですが、これを少々クラシックな形にして、大短冊を壁に貼りだしての句会を行いたいと思います。俳諧自由の基本形を皆さんと共有する一日は、5周年記念にふさわしい企画ではないでしょうか。


俳句集団【itak】は北海道立文学館をホームとしてこれまでのイベントを開催して参りました。そこでこの日は北海道立文学館と中島公園を吟行して二句をお持ちいただきたいと思います。

各人自由にご散策頂き、文学館にお越しくださいませ。当日参加も大歓迎です。


(1)第31回イベントのご案内

◆日時:平成29年5月13日(土)
      13:00~16:50(12:30受付開始)
◆場所:北海道立文学館 講堂
札幌市中央区中島公園1番4号


◆プログラム◆

第一部 俳句集団【itak】旗揚5周年記念・吟行句会

『北海道立文学館・中島公園吟行句会』-大短冊貼出-


※開始時刻まで、北海道立文学館・中島公園を各自自由に吟行し
2句作ってお持ちになってください。大短冊は各自で書いていただく予定です。

 当日はスタッフの案内をお聞きのがしないようご協力をお願いします。

第二部 句会(当季雑詠吟行句2句出句)

 <参加料>
一     般  500円
高校生以下  無  料(但し引率の大人の方は500円を頂きます)


※出来る限り、釣り銭の無いようにお願い致します。
※イベント後、懇親会を行います(実費別途)。
店舗手配の都合上、懇親会は事前のお申し込みが必要になります。
会場および会費など、詳細は下記詳細をご覧ください。


参加ご希望の方は下記メールに
「第31回イベント参加希望」のタイトルでお申込み下さい。

会場準備の都合上、なるべく事前の参加申込みをお願いします。
イベントお申込みは5月11日までとさせて頂きますが

以降もご遠慮なくメールまたはFAXにてお問い合わせ下さい。

   itakhaiku@gmail.com

お申し込みには下記のいずれかを明記してくださいませ。
①吟行・句会ともに参加(当日13時までに受付にて投句願います)。
②第二部 句会見学・選句のみ参加(投句の方は第一部に必ずご参加ください)。


なお、受付開始12時半。投句締切は13時15分です。大短冊は各自清記ください。 
筆記用具など譲り合ってご使用願います(不明点はスタッフにお尋ねください)。
お名前または俳号・ブログ掲載の可不可について
受付時に確認させていただきます。必ずお書き入れください。
早退される方はお手数でも必ず選句をお済ませください。
また、天候や交通状況で投句に間に合わない場合等は、見学・選句のみのご参加となります。
なお欠席投句はお受けしておりませんのであしからずご了承ください。


(2)イベント後・懇親会のご案内

会場:地の酒地の酉・まる田 七番蔵
札幌市中央区南2条西4 フェアリースクエアビル1階
時刻:17:30~19:30
会費:4000円(飲み放題つき)


  ※イベント受付時にご精算をお済ませください。
※当日のキャンセルは後日会費を申し受けます。
※中高生、小学生はお問い合わせください。


準備の都合上、こちらは必ず事前のお申し込みをお願いします。
懇親会申し込みの締切は5月9日とさせて頂きますが、以降もお問い合わせください。

参加希望の方はイベントお申し込みのメールに ④懇親会参加 とお書き添えください。


ちょっとでも俳句に興味ある方、今まで句会などに行ったことのない方も、大歓迎です!
軽~い気持ちで、ぜひご参加ください♪
句会ご見学のみのお申込みもお受けします(参加料は頂戴します)。


北海道立文学館へのアクセス
※地下鉄南北線「中島公園」駅(出口3番)下車徒歩6分
※北海道立文学館最寄の「中島公園」駅3番出口をご利用の際には


①真駒内駅方面行き電車にお乗りの方は進行方向先頭部の車両
②麻生駅方面行き電車にお 乗りの方は進行方向最後尾の車両にお乗りいただくと便利です。


 

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2017年4月12日水曜日

りっきーリポート#21 今日までの【itak】をゆる~く振りかえってみるの巻


皆さまお元気でしょうか?
こんにちは、【itak】の裏方でみんなのアイドルことリッキーでございます。


今回もりっきーリポート、若者たちのitakでの活躍をリポートするつもりでいましたが、今回(3月ね)の学生さんの参加はほんの僅か、まぁ確かに時期的に卒業とか期末テストとかで「忙しくてそれどころじゃないわっ!」なんて感じですよね(;^ω^)
ということで、特段目を張るようなネタも無かったので今回は今までの【itak】の歩みをチョロッと振り返ってみようかなと思いますです、ハイm(__)m


【itak】も立ち上げから早や5年、次回からはなんと6年目に突入しちゃうという、BOSSを始めスタッフみんなビックリのしぶとさであります(笑
立ち上げ当初の目的は「北海道の俳句界をもっと自由に盛り上げよう!」「もっと若手(学生さん)や初心者さんが自由に俳句できる場を作ろう!」なんて感じで一同ワタワタとイベントを企画し句会も開催してきました。
当然の事ながら最初の頃は異端児的扱いで白い目で見られたり「【itak】?なにそれ?」的な御言葉も頂いておりましたが(いや、今も言われてるけどね(-_-;)、 地道に活動してきた甲斐もあって今は一定の認知度も上がって毎回のように新しい方が参加してくれたり、また【itak】に遊びに来てくれている高校生たちも徐々に増えていき、そして一昨年は旭川東高校が俳句甲子園で準優勝するなど、それはもう濃ゆ~い5年間となりました。

それに呼応してかどうかは分かりませんが、道内の俳句結社や各協会でもジワリと動きが出てきたようで、新たに結社で俳句を学ぶ方や協会に所属される方なども少しずつではありますが増えてきたようです。
今までは減る一方と言われていた北海道の俳句人口も、我々【itak】の活動でウマイこと刺激になっているのであれば、これほどうれしい事はありませんぜ、旦那っ( ̄▽ ̄)
 
・・・が、これで満足して足を止めちゃぁいけないって事で、【itak】はまだまだこれからも突っ走っていく所存でありますよん。

次回5月は旗揚げ五周年記念企画、【itak】初の吟行句会!5月上旬の北海道は厳しい冬を越えた花や木々たちが一斉に眩くそして彩る時期で、吟行にはもってこいのシーズンです。
そして5月は学生さんも新入学で色々フレッシュな風を吹かせてくれるシーズン!特に今年は大学生達とたくさん御縁が出来るような気配でありまして・・・(ニヤリ


という訳で6年目の【itak】もエンジン全開で突っ走りますんで、そこんところ夜露詩駆!
・・・
あ、エンジンにはちゃんとガソリン(酒宴)を補給しないと動かないんで、そこんとこもヨロシクです(`・ω・´)ゞ





2017年4月10日月曜日

俳句集団【itak】第30回句会評⑥ (橋本喜夫)


俳句集団【itak】第30回句会評⑥

  2017年3月11日
 
橋本喜夫(雪華、銀化)
 
 
 啓蟄や鉛筆の芯そろへ置く   遠藤ゆき子
 
鉛筆の芯を揃えて置く とはどういう景なのか 考えてみるとふつうの三菱の鉛筆(昔ならではの)であれば鉛筆をきちんと研いで、同じ方向に並べて置く。この場合シャープペンシルの芯を4~5本出して同じ方向に並べたのではなかろうか。そうすると、なにか虫のような感じがしないだろうか。そこに「啓蟄」の季語が生きてくる感じがする。
 
 
 生きものの色を集めて牡丹雪   ふじもりよしと
 
生きものの色を集めると、なんで牡丹雪になるのであろう?とか牡丹雪の白い色がはたして生きものを集めた色なのであろうか? とか読者が??を頭で考えているうちに作者の術中にはまるのである。こういう独善的な比喩的な表現が俳句ではぜったいに必要なのである。思えば 白はひかりの三原色をあつめれば白くなるのではなかろうか。
 
 
 鳥雲に大霊界は果ての果て    三品吏紀
 
大霊界という言葉久しぶりに聞いた、丹波哲郎いまごろ大霊界でどうしているのであろうか。鳥雲に の季語に大霊界という言葉の取り合わせ悪くないと思う。問題は「果ての果て」なのだと思う。これは作者もおそらく気づいているはずだ。たとえば 鳥雲に入りて大霊界に棲む とか徹底的に
虚に持って行くという手もある。
 
 
 弥生なり十日十一日炎(ほむら)  五十嵐秀彦
 
三月十日は東京大空襲。十一日はご承知のとおり東日本大震災。弥生なりが逆に気になった。本来は陽暦4月なので。ここは「三月や」でいいのではと。日本にとって忘れてはいけない日が二日続いていることは大きな発見でもあるので、大事な俳句だと思う。
 
 
 新しき電柱並ぶ弥生かな    村上海斗
 
三月末の年度末には決算時期でもあり、予算執行もあるので意味なく新しいものが出来上がる。電柱が新しくなっても不思議はないのだ。弥生は「いやよい」の意味で、新しものがにょきにょき立つのはとても共鳴できる季語なのだ。
 
 
 黒鍵の艶めきだして冬終る   平野絹葉
 
ピアノの黒鍵を詠むことはけっこうあると思うが、「艶めく」と詠んだのは過去にはないのではないだろうか。たしかに黒光りした感じは、末黒野も想像されて「春」めいた感じである。そういう意味で「冬終わる」はするどい季語選択だと思う。
 
 
馥郁と蕊を反らせて臥龍梅     増田植歌
 
北海道の人間なかなか臥龍梅は詠む機会がない。そういう意味では名古屋在住の作者ならではの詠みである。中七の「蕊を反らせて」という措辞。馥郁という措辞。どれも臥龍梅のありようを的確に写生していると思われる。

 
◇◇◇
 
以上さくさく 今までの中で最短時間で終了。たくさんの句をあっさり触れることに終始してみました。今回はこれで勘弁してください。(了)
 
 
 

2017年4月8日土曜日

俳句集団【itak】第30回句会評⑤ (橋本喜夫)


俳句集団【itak】第30回句会評⑤

  2017年3月11日
 
橋本喜夫(雪華、銀化)
 
 
 冴返る転宅を告ぐ青インク    恵本俊文


句会でこれもコメントされていたが、たんなる転居や引っ越しでない、不穏な感覚が、「転宅」という措辞と「青インク」から伝わるのだ。これが冴えかえるという季語と相俟って十全に伝わる句なのだ。
 
 
 街は雪を愛して木々のかをるなり   瀬名杏香
 
十+八の破調なのであるが「街は雪を愛して」とたっぷりと叙しているので、あまり破調感がないのだ。この措辞が旭川、札幌などの雪国の街を想像させて、故郷を愛する作者の表白も垣間見ることができる。そして「木々のかおりるなり」の措辞が雪解けのこの季節の感覚を十分に伝えている。
 
 
 友のくれし歳時記春に栞あり     黒紗
 
まず俳句に歳時記を詠むことが珍しい。はじめて俳句を作ったらしい。この句も十+八で破調なのだが、友のくれし歳時記 とたっぷりと叙しているのであまり違和感なく読める。違和感があるとしたら 歳時記を詠んでいることである。すべて読み終わったあと読者が感じることは、なるほど作者は友人から「歳時記を貰って、その歳時記には春の項目に栞が挿してあった」ということである。ここからこれからの季節感、俳句をはじめて詠むこころの躍動感や、友人との関係が温かく伝わるのである。
 
 
 卒業の朝へ靴紐結びけり      栗山麻衣
 
卒業の朝へ の「へ」が良い。靴紐を結ぶという行為はやはり、きちんと新しくはじめること、襟を正すことに 近い行為だと思う。もちろん身だしなみの一つでもある。卒業後の生き方にも通じるはずである。
 
 
 だくだくと山も崩さん雪解水   鍛冶美波
 
雪解水の勢いが「だくだく」というオノマトペによって見えてくるので、このオノマトペは成功している。読者が立ち止まるのは山もの「も」である。なぜ「を」でないのか?、「も」にした理由は?と考えてみる。湧き出て来る雪解水によって、山崩れをおこすばかりでなく、長い冬期間に生じた氷の山や、雪の山、はたまた人間の固くなったこころの山も崩すという意味なのであろう。
 
 
 

2017年4月6日木曜日

俳句集団【itak】第30回句会評④ (橋本喜夫)


俳句集団【itak】第30回句会評④

  2017年3月11日
 
橋本喜夫(雪華、銀化)
 
 
 
 春泥を越えて結婚話かな    田口三千代
 
春の浮き浮き感がでる春泥をまたぎながら、まさに結婚話をしている景である。嘘くさい景とは思えないのだ。「かな」の詠嘆が結婚話にかかっているのもこの句は成功していると思う。つまり妙に 「春泥」という季語を重視していないのが良いのだ。春泥という季語は軽く扱われる方が喜ぶ季語だと思う。
 
 
 口笛のスピカに届き冴え返る   石井義康
 
冴え返るの季語の扱いが少しアンビバレンスで面白い。「冴えかえる」という場合は、むしろ「口笛が届かなくて冴えかえる」というネガテイブな意味でつかわれるが、この句はスピカというおとめ座の首星に口笛がせっかく届いたのに冴えかえる と詠っている。
 
 
 春霙犬には犬の思ひあり    高畠霊人
 
句会でも言ったが、中七以下のフレーズは犬好きのひとにはなかなか鉄板のフレーズである。あとは季語の斡旋だが、「春霙」なかなか良いと思った。「ずぶ濡れて犬ころ」を思い出した。
 
 
 ブルースと俳句机上の蜃気楼   高橋ヨウ子
 
机上の蜃気楼がいいです。机のうえの荒野は寺山、わたしも机上の砂嵐という俳句を作ったことあるが、机上の蜃気楼は 新しいと思う。ブルースも良い。この句を採れなかったひとは「俳句」なのだろうと思う。ここを「モノ」で収めることができたら、人気が出たのだと思う。
 
 
 のどけしや卒寿の母と土弄り    藤森美千子
 
句会でも言ったが、のどけしや の季語の斡旋のよろしさと、坐五の「土弄り」がとてもリアルな表現で信憑性がある。かっこつけて表現していないのが良いと思う。卒寿の母ののどかな生活が想像される。
 
 
 

2017年4月4日火曜日

俳句集団【itak】第30回句会評③ (橋本喜夫)


俳句集団【itak】第30回句会評③

  2017年3月11日
 
橋本喜夫(雪華、銀化)
 

 
 
 鯛焼の雄(国産)を箱で購ふ    青山酔鳴
 
タイ焼きの雄で国産を箱ごと買ったというまさに嘘っぱちであるが、一種の発見かもしれない。タイ焼きを買いつつ、おそらくスーパーで並んでいる魚貝類に思いを馳せたのだろうと想定する。
 
 
 蕗味噌の苦み嬉しや生きてをり   高畠霊人
 
蕗味噌を食べたときの、ことしも春を迎えられたという喜びを句にした。たしかにはずんだ心持が表白されているが、やはり「嬉しや」が問題と言えば問題なのかもしれない。「嬉しや」がなくても、苦みを味わい、「生きてをり」の措辞があれば理解できるので。
 
 
 草間彌生似の犬通る春の闇    高畠町子
 
三年に一度くらい句会に登場して高点句になる草間氏である。笑える句であるが、草間フアンには見せられないかも。「春の闇」がゆるめる、深刻さがないという意味ではいいのだが、闇の中で顔が似ていることが本当にわかるかしら?なんて思う。「春の昼」とか「蝶の昼」で十分面白いのではと思う。ちなみに私むかし「ビクターの犬に似たひと山笑ふ」という句をだして、うけたことことがある。
 
 
 僕を俺と言ひなほすひと春の闇   横江泰子
 
この句もある意味現代の若者それも男の子の現状をよく見ている句だと思う。草食系と思われたくない草食系男子が、見栄をはって言いなれない「俺」を連発している姿がほほえましい。春の闇の季語がどうなのかという、恨みは残るのであるが・・・
 
 
 ぽちっとなのぼりのボタン押して春  平野絹葉
 
句会でもみなさんがコメントしていたが、この句の面白味は「ぽちっとな」の措辞であろう。一青窈の作詞みたいな、おもしろい魅力的な措辞だ。春への展開もかろやかである。エレベータのボタン押すたびに「ぽちっとな」と言ってしまいそうだ。
 
 
 

2017年4月2日日曜日

俳句集団【itak】第30回句会評② (橋本喜夫)


俳句集団【itak】第30回句会評②

  2017年3月11日
 
橋本喜夫(雪華、銀化)
 

 
 亀鳴くや告知の前の缶珈琲    山田美和子

句会のときも議論されていたが、ここの告知は恋愛告知とはふつう、思わない。やはり癌の宣告などの病気の告知または深刻な事態をお知らせする場面であろう。そこですこし緩い感じの「缶珈琲」が逆に存在感が出てくると思う。また亀鳴くという諧謔の季語を使用したことが、こういう場面に使われるのは逆に新しいと思うのだ。


 夕張の空き家の太き氷柱かな     安田豆作

夕張という過疎の代表的な街が固有名詞として利いている。空き家なので、氷柱を落とすひともいないのだろうと理解できるし、納得できる。住居建築の専門家に言わせると、空き家にはそれほど氷柱はできないという、これも後から聞けば納得できる情報だ。


 半島に青き点描流氷期       籬  朱子

これはヘリコプターやドローンで知床半島を俯瞰したときの景として理解できるだろう。今はむかしにくらべると小型化した流氷の塊を点描と比喩している。惜しむらくは流氷期とすると「時期」を示すのでここは景としては「流氷野」とすべきだと思うが・・・。


 漢気の軸のぶれなき卒業歌    三品吏紀

卒業の句として珍しい素材。おそらく男子校もしくは水産高校、工業高校などの校歌であろうか。おそらく時代錯誤といえるような男気にあふれた校歌の「詞」なのだと思う。中七の「軸のぶれなき」がなかなか骨のある措辞で、ほほえましい。


 み仏も趺坐くづしませ春の闇   草刈勢以子

中七の「くづしませ」が非常によい。そしてそれに「春の闇」という季語の選択がもっとよい。春の柔らかい闇の中だからこそ、「仏さま、どうぞ胡坐をゆるめて楽にしてください」という作者のこころもちも温かく伝わるのだ。