『 おヨネが読む 』 (その1)
~第16回の句会から~
栗山 麻衣
いやーん。みなさま、ごぶさたしておりマス。栗山麻衣でございます。さて、秋も深まりっつうか、冬に入りましたですね。全国各地でゆるキャラ祭なんかも開かれているようですが、ワタクシが応援しているのは断然「むすび丸」。おむすびモチーフ。宮城が産んだアイドルでございます。かわゆかなんですのよ。つうわけで、お米大好き!おヨネが読む。またもや至らぬ鑑賞になるかと思いますが、なにとぞよろしく夜露死苦世路詩句。
寧日の七癖たたみ秋扇 猿木 三九
何事もなく安らかな日、作者は秋扇をたたみました(←って、いきなり俳句あるふぁっぽくなってるよ!)。しかし、無くて七癖つうぐらいで、扇にも作者にも当然どこかに癖があります。ワタクシ脱いだらすごいんです!ってやつかも…。端正なようで妄想をかきたてる一句でありマス。
談春の声音七色菊日和 遠藤ゆうゆう
これは落語好きな方ですね。一人芸にはその人の人間性が色濃く表れる気がします。七色の声という表現に、菊日和という物みな鮮やかに見える麗らかな秋の一日。取り合わせが絶妙です。ちなみに高座を拝見したことはないのですが、ワタクシ、談春エッセー「赤めだか」のファンでありマス。入門から二つ目になるまでのあれこれを書き、一筋縄ではいかない師弟愛や人間のおかしみ、けなげさを感じさせる名著でした。
火のふるへ大地のふるへ猪通る 安藤 由起
作者は猪の動きに、大地の躍動感を見ているのかな。火は地上で燃えている火を指すのではなく、地球が内部に抱えている火を指しているように思います。何の火か詳しく書かないことで、逆にそうした根源的な火を思い起こさせることに成功したのではないでしょうか。ダイナミックな作品。
湯豆腐に喫水線の波立ちぬ 橋本喜夫
喫水線という言葉には船出感、これから感があり、青春性があるように思います。そこに湯豆腐という、なんか枯れたお食事、しみじみ系のお食事を持ってきたところがビックリ。こう書かれると、湯豆腐もけっこうアグレッシブな食べ物なんだなあと気付かされます。ちょっとした言葉のあっせん(←こういう使い方でいいのかな)で、全然違う世界が立ち上る。俳句の妙でありマス。
(その2へつづく)
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