いつもご高覧頂きありがとうございます。
先日公開しました【人気五句】の披講をいたします。
三句選で、天=3点、地=2点、人=1点の配点方式、( )内は配点です。
横書きにてご容赦くださいませ。
啓蟄のしんがりにホモサピエンス 籬 朱子 (17)
春浅し産湯のごとき母を抱く 村元 幸明 (16)
微熱あるのよ桜餅が寝ている 柏田 末子 (16)
小鳥引く柩のごときオルゴール 橋本 喜夫 ( 9)
ため息の重さを笑え花ミモザ 後藤あるま ( 9)
ため息の重さを笑え花ミモザ 後藤あるま ( 9)
以上です。ご鑑賞ありがとうございました。
第二位と第三位は天の多い順です。
なお、実際の第四位・第五位の人気句については掲載許可をいただけませんでしたので以降繰り上げてご紹介させていただきました。
ツイッターでのコメントについては「ゆかりんノート」にまとめました。
句会評を挟みましてほどなく全句の公開をいたします。
ご高覧下さいませ。
村元さんの「産湯のごとき母」という表現が、少し変じゃないかな。ちょっと「抱き」ようがないと思う。「産湯のごとく抱く」というなら、実感できそうですが、どうでしょう? ただ、いずれにしても、この世界は啄木の「母を背おいて」の短歌の世界を、一歩も出ていないような気がしますね。時代は、父母兄弟、家族について、比喩的に言うなら「血」ではなく「水」で描くほかないというところまで、せっぱつまってきているようにぼくには思えるのです。
返信削除震災後の時代性は、たとえば橋本さんの「オルゴール」までが「柩のごとく」見えてしまうという閉塞にあります。この句の不幸な感覚は、とても本質的で他人ごとではありません。直喩でストレートに情があふれ、句の技法としてはいくぶん後ろ向きに見えていながら、句の全体が何ものかの暗喩となっていますね。実はたいへん難解な句なんです。句評は読み手それぞれの物語を語るということになりそうです。もちろん「今ここにある物語」であることは、いうまでもありません。
熊谷さん、ありがとうございます!
返信削除ひとくちに人気五句といってもずいぶん印象の違う句が並んだものです。
橋本さんの句は、難解といえば難解だけど理屈を読みとる必要がないので、ある意味鑑賞が楽だとも思います。
村元さんの句は、隣に座っていた橋本さんとも、これは「産湯のごとく抱く」だよなぁ、と言いあっておりましたが、作者の話を聴いているうちに「産湯のごとき母」はありえない分、アリかもしれないとも感じました。
柏田さんの「微熱あるのよ桜餅が寝ている」は、まんまと言えばまんまなのですが、今読んでもけっこう笑えるので好きです。
ん? このブログはコメント書きにくいなぁ・・・。
返信削除上記のコメントを書いたのは五十嵐秀彦でした!