2013年1月31日木曜日

『りっきーが読む』~第5回の句会から~(その1)


『 りっきーが読む 』 (その1)
 ~第5回の句会から~

三 品 吏 紀


さてさて、いつもは「りっきーリポート」で色々とご報告させていただいてる私りっきー。
今回はりっきーリポートに続いて、「読む」企画も書かせていただくことになりました。
いつもの調子なら適度にユル~イ文で筆を進めるところですが、今回は作品に触れていくのでいっちょ真面目に書いていこうと思います。
残念ながら自分はまだ俳句について、文法や技法的なことを語るにはまだまだ勉強不足ではあります。
しかしそこは多大なる妄想力でカバーをし、句から浮かび上がる背景、情緒を読んでいきたいと思います。
妄想、妄想♪


露西亜語とすれ違ひけり雪の路


・2月上旬に催される北海道の冬の一大イベント「さっぽろ雪祭り」。
何メートルもの巨大な雪像群が札幌の中央に作られ、見る者を圧倒させる冬の祭り。
日本国内はもとより、今では海外でも注目されている。 当然のことながら会場一帯は国内外からの観光客で溢れかえり、一種の国際交流の場となる。当然のことながらロシア語ともすれ違うことだってあるだろう。
この句のすれ違う二人はお互いロシア人。異国の地で訳の分からない言葉が飛び交う中、互いにすれ違うときに聞こえたのは、母国ロシアの言葉。 ハッと郷愁を感じると同時に、言いようのない違和感も感じたのではないだろうか。
僕は仕事の都合で海外に数年間住んでたことがある。 日本語の「に」の字も出てこないような小さい町だ。 そんな異国で聞く日本語というのは、安心感や郷愁というよりも、奇妙な違和感を感じた記憶がある。 水に浮かんだ油のように馴染む事のない、そんな錯覚。



正月の終りを告げるカレー香


・ああ、これはもう何処の家庭でもある、ベッタベタのパターンだね(笑)
元日・二日とおせちや雑煮で過ごすのだろうが、早ければ二日の昼あたりから禁断症状が出るはず。 そう、ラーメンやカレーライスとかね。

数日間を淡白な味付けの料理で過ごすのだから、濃ゆ~い味が恋しくなるのは道理。
二日ないし三日の夜は、多くの家庭からカレーの香りが漂ってくるだろう。 そしてそのカレーの香りを嗅いだ時、またいつもの日常が戻ってくるのである。



寒夕焼のやさしさの無比無類


・先日の朝、不思議な雲を見た。
西の空に、地表と平行にただ一直線に伸びる雲。 あまりにも真っ直ぐ過ぎる形だったので「地震雲か?」と思ってしまった程だ。

何とも言いがたい不安な気持ちで過ごしたその日、夕刻の西の空に今度は夕焼が訪れた。
氷点下で澄み切った空に、オレンジ・黄色・水色・蒼・グレー・紺など何色ものヴェールが西の空を覆い、家々の屋根を夕日が染めた。 幻想的な光景だった。
人間は自然の前には無力である。自然の力はまさに無比無類。簡単に地にも海にも呑み込まれてしまう。
しかしこの夕焼のように幻想的な光景を、無比無類のやさしさをもたらしてくれるのもまた自然なのである。


去年今年かすかにすすみゐる録画

・年末年始というのは人によっては尋常じゃない忙しさの方もいるだろう。
おせちを作る料理人、初詣の参拝客をむかえる神社、初売りの福袋詰めに息つく暇もない店員。
そんな慌しい日々の中でも、家のデッキはかすかな音と、そして確かに録画は進んでいる。
皆、同じ時間の中にいるのである。



(その2)につづく





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