2016年7月16日土曜日

俳句集団【itak】第26回イベントを終えて


俳句集団【itak】第26回イベントを終えて
 
『 男の恋句・女の恋句 』
 
~俳句で恋は詠えるのか?~

五十嵐秀彦



 
 
俳句集団【itak】のイベントもおかげ様で26回を数えるまでになりました。
句会だけで終わるのではなく、さまざまの分野の「達人」たちの話を聞くことで、それを日ごろの創作活動の糧にしてもらおうと、私たちは毎回講演やシンポジウム、トークショーなど続けてきております。


今回の企画は【itak】幹事の高畠葉子さんの立案で「恋の俳句」をテーマとし気鋭の俳人たちに語り合ってもらおうという趣向で、「男の恋句・女の恋句」と銘打ったトークショーといたしました。
過去に俳句界賞や鮫島賞などを受賞し最近では結社「雪華」の主宰を継承した屈指の実力派俳人橋本喜夫さんと、昨年現代俳句新人賞を受賞し道内外俳壇の話題をさらった瀬戸優理子さん、そして企画仕掛人の高畠葉子さんの三人が古今の恋の句について縦横に語ってくれました。


短歌の世界では「恋」は一般的なモチーフのようですが、同じ短詩型ながら俳句では恋を詠うことをタブーとまでは言わないものの、どちらかと言えば避けたほうが無難だよ(無難ってなんだよ!?)というモチーフであろうかと思います。

理由としては、そもそも俳句は主観の吐露を嫌う詩型だということが指摘できるでしょう。そして「恋」ほど主観的な感情はありません。
それが恋の俳句をむずかしくしているのだろうと思います。


ところがそのことにあえて注目し俳句の世界をあらためて見渡すと、避けるべきテーマなどはどこ吹く風とばかりに恋句を詠んだ作家たちがいるのです。
そこにはプラトニックなものもあれば性愛もあり、若々しい恋もあれば老いの句もある。それを3人の出演者が例句を挙げながら、それぞれ独自の視点で語った今回のトークショーはとても面白いものとなりました。

近々に抄録をアップいたしますのでご期待ください。

当日の参加者は50名、続く句会の参加者は45名でした。
今回の「恋句」というテーマへの挨拶句なのか句会には恋の句がズラリ!
そんな参加者の粋な思いも伝わって、楽しい句会となりました。


さて、次回は9月10日(土)13時からです。
第1部企画は【itak】幹事の松王かをりさんの文法講座「知って得する! 俳句の文語文法」です。
わかっているようで案外わかっていない、あるいはわらないようでやっぱりわからない、そんな文語文法を俳人で予備校現役教師の松王かをりさんが、やさしくはんなりと教えてくれます。

またまた俳人必聴の講演会、ぜひご参加ください。


※このあと19時より人気五句も公開いたします!

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