『 やぶくすしハッシーが読む 』 (その3)
~第17回の句会から~
橋本 喜夫
朗らかに墓のことなどお元日 高畠 葉子
正月から縁起でもないと思われるかもしれないが、めったに集まらない親族家族があつまる正月だからこそ出る、出やすい話題である。共感は得られるだろう句。
裸木やありのままなるひと美しき 戸田幸四郎
正月から縁起でもないと思われるかもしれないが、めったに集まらない親族家族があつまる正月だからこそ出る、出やすい話題である。共感は得られるだろう句。
裸木やありのままなるひと美しき 戸田幸四郎
美しき とまで言わない方がよい句になりやすというが、この場合は成功していると思う。取らない人はそういう理由だろう。取った人は私と同じ理由だろう。この成功は危うきところで成功していると思う。
心臓と乳房てのひら雪しんしん 井上 康秋
深いところから表層へと、クローズアップ手法が使われて、掌に伝わる鼓動、乳房のあたたかさ、そして 雪しんしん と繋がるようにできている。構成的にはかなり計算されたつくりである。私は最近この動作を行うことが多いので、共感した。
チョコレートかじりセンター試験かな 山田 航
実感がある句である。試験の休み時間や待ってる時間でもいい。センター試験の直前勉強でもいいが、脳みそにすぐ栄養が行くように甘いチョコレートをかじる。おそらくそんな学生を写生した句と思われるが、もしかした作者自身の経験による句かもしれない。
(最終回につづく)
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