俳句集団【itak】です。
本年もよろしくお願い申しあげます。
2021年・新年詠をご高覧くださいませ。
俳句集団【itak】幹事一同
あしたには孤島となりぬ鏡餅 五十嵐秀彦
アマビエにすがるご時世去年今年 林 冬美
生ほし立つ独り子見上げお正月 田口くらら
初夢を泳ぎ来てまだ濡れてゐる 松王かをり
三日はや砥石たつぷり水を吸ふ 太田量波
去年今年数多を捕らえ伴宙太 頑黒和尚
昏迷の窓よりひかり初寝覚 近藤由香子
目覚ましの文字盤しるき大旦 鈴木牛後
鏡餅高齢の猫通ります 安田中彦
引継ぎし山菜づくし雑煮椀 小路裕子
左義長の火柱にただ乞う日常 久才秀樹
声も瞳も清しくしたる春著かな 青山酔鳴
新玉の日が上るとて寝屋の中 音羽紅子
極楽の光注ぎし年酒かな 三品吏紀
福袋売場をきゅっと拭き終わる 角田 萌
慶びの天の岩戸のこゑ第九 増田植歌
病棟の窓に灯のある初山河 籬 朱子
あらたまの暁月夜願ひとつ 平 倫子
会話には膜うつすらと葛湯吹く 栗山麻衣
初春や視線合わない二人描く 田島ハル
コロナ禍を小脇に抱え去年今年 大原為流
よその子がただでかくなる年賀状 山田 航
切り傷に染みる初茜の眠気 村上海斗
初筑波黒のサドルの引き締まる 島崎寛永
静謐の中の混濁淑気満つ Fよしと
御降の煌きパンシロンは粉 福井たんぽぽ
炭住の残らず消えて冬銀河 岩本 碇
香炉灰幾度も鎮む去年今年 安藤由起
三度目も陰性のまま年うつる 橋本喜夫
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