俳句集団【itak】第33回イベントを終えて
「生・牛の歳時記」
-あまり知られていないかもしれない牛と牛飼いの暮らし-
~牛の化身・鈴木牛後登場~
五十嵐秀彦
秋風吹く中島公園のいつもの北海道立文学館で、9月の俳句集団【itak】イベントが開催されました。参加者は第1部講演に61名、第2部句会57名、懇親会32名。
第1部講演は【itak】幹事で、雪華会員、いつき組組員の、鈴木牛後さんによる「生・牛の歳時記」です。
牛後さんと言えば、知っている人は知っているとおり下川町の酪農家。毎日、牛とともに暮らしている俳人なのです。
牛後さんは、「週刊俳句」に4、5年前に「牛の歳時記」というエッセイを連載していて好評でした。その頃から【itak】で牛後さんに「牛の歳時記」をナマで語って欲しいというリクエストが多く、機会を探っておりました。一度、予定に組み込んでいたのですが、なにせお仕事が酪農です。相手は生き物なので思うとおりには進みません。その時は別な企画に差し替えてなんとかしのいだわけで、今回もその時のリベンジでした。
私も正直、当日にJRに乗ったという連絡があって初めてホッとしたほどです。もしドタキャン(十分考えられた)になれば、私と橋本喜夫の二人で漫才をするしかない状況でした。
さて「生・牛の歳時記」講演は、いかにも牛後さんらしい進行になりました。いきなりプロジェクターが映らない!(テストしてないものなぁ・・・)。
でも牛後さんちっとも慌てない。さすがに大物です。
酪農家の生活ぶりの一端がうかがえるエピソード豊富な内容に参加者は皆さん興味津々。
特に牧草を刈り取ったり、ロールを作るまでの動画には驚きの声があがりました。
奥様の牛前さんが真正面に陣取り牛後さんの講演ぶりを監督(笑)している様子も夫婦仲の良さがうかがえてなかなか素敵な光景でした。
句会の後、場所をホテルライフォート札幌に移しての懇親会です。
今回の懇親会は、松王かをりさんの第37回現代俳句評論賞受賞と、鈴木牛後さんの今年の北海道俳句協会賞授賞の祝賀会でもあり、盛大にそして楽しく開催されました。
一昨年の瀬戸優理子さんの現代俳句新人賞受賞に続き、俳句集団【itak】の仲間たちの大活躍が続いており、力づけられる思いです。
松王さんの受賞作は、正岡子規の鶏頭の句を分析し新解釈に至った力作ですが、その元になったのが【itak】でのご自身の講演であったこともうれしいエピソードでした。(またその講演が最初の牛後さんの講演予定が流れたときのピンチヒッターだったというエピソード付きでした)。
さて、次回のイベントです。日程等は以下の通り。
日時 平成29年11月11日(土)午後1時~4時50分
場所 北海道立文学館講堂(札幌市中央区中島公園1-4)
第1部企画
講演会・ライブ ~アイヌ文化の伝承活動とその表現方法~
『ヤイェ イソイタク アシ ワ (自らについて話しますよ)』
講 演 川上竜也・川上将史(ペナンペパナンペ・お笑いコンビ)
ライブ 豊川容子(Nin cup(ニン チュプ)ボーカル)
俳句集団【itak】初のアイヌ文化関連イベントとなります。
わたしたちの名前【itak】もアイヌ語の「言葉」という単語を戴いています。
みなさまぜひ、道立文学館にいらしてください。
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