2017年2月16日木曜日

俳句集団【itak】第29回句会評⑥ (橋本喜夫)


俳句集団【itak】第29回句会評⑥

  2017年1月14日
 
橋本喜夫(雪華、銀化)
 
 
 
 サロマ湖とつながる海や鍋破       藤原文珍

この句はやはり カジカの異名 「鍋破(なべこわし)」を使用したことだろう。かじか汁をはじめとしてそのいかつい顔に比べるととてもおいしい魚である。美味しくてみなで箸をつつくので 「鍋が壊れる」 ことからその異名がついた。この句は中七まではその季語を紹介しているだけであるが、それでいて季語の邪魔をしていない。


 四十にもなりて年玉もらひけり      平野絹葉

時代のせいか 若者世代は将来お金に困るらしい という未来予想がある。この句の年齢はとても信ぴょう性があり 四十代ということは親は六十代でまだ経済的基盤がしっかりして、余力がある世代である。これが三十代、二十代だと当たり前すぎるし、五十代だと情けなさすぎる。四十代(しじゅうだい)が音調もとてもよい。


 ざまあみろ雪に壊れる山手線       山田 航

あまり深入りするとまずいので 簡単にコメントするが北海道に暮らすものが東京を俯瞰したとき誰もが少しは思う感慨ではなかろうか。蝦夷にすんでいるということはどこかにそんな残念なひがみ根性があるのです、正直に言いますが。


 吉野川冬暁に月映し            江崎幹夫

イタックには珍しいタテ句で、吉野川の地名も効いている。愛媛と高知県の県境を水源とする吉野川 行ったことはないが清流であることが推測される。冬の暁にその川面に残月が映っているという見事な景である。



◇最後駆け足であいすみません。私には時間がないので・・・これでご勘弁を。また次回まで・・・よろしく哀愁(了)
♡よしをさま、人気企画なので今後も倦まずよろしくお願いします!(事務局J)


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