『 かほるんが読む 』 (その2)
~第6回の句会から~
小 笠 原 か ほ る
つばめつばめどこかに古城ありさうな 久保田哲子
ふいに見上げた空につばめが。
「つばめじゃない?つばめだー!」 と指をさして行方をみている景を
追って行くと日常の空間から異空間に連れていってくれそうな一瞬
を感じる。
アンニュイつて死語ですかまくなぎくぐり 五十嵐秀彦
何だか面白い一句。そう言われてみると近頃「アンニュイ」 は使われていないから
久しぶりに聞く言葉だ。ん、、、死語かも。けれども
アンニュイ感たっぷりな女性がポンっと浮かんだ。
女優の桃井かおりさんだ。好きな女優さんの一人。
妄想は止まらない・・桃井かおりさんが独特な口調で、 しつこいまくなぎを
掃っている場面。聞こえてくるはずのない声が、、、 聞こえているのは私だけ?
ジーンズの裾折るたびに南吹く 籬 朱子
いかにも夏らしい一句。
けれども、 よくよく考えてみるとジーンズは決して涼しい素材ではないのに
なんのためらいもなく夏も穿くが違和感はない。
色味のせいなのだろうか。
ただそれでも足元を軽くして風を遊ばせるのが心地いい夏。
付け爪の気付かれたくて夏帽子 高橋ヨウ子
柔らかな素材で鍔の大きな夏帽子なのだろうか。
女性らしい指の動きが綺麗なのだろうな。
私は、 かなり深爪じゃないと指先が落ち着かないので付け爪をする事は
まずないだろうな。 色気もなーんにもないので素敵な女性を見かけると
「おおーー」と心の中で一瞬、 男子のように叫んで感動しているだけ。
はんざきの両手に余す自尊心 北島 和奘
生のかたちを選ぶ事は誰にもできない事なのだけれど
立派な、 はんざきに生まれ身に着いた習性でハタハタと泳いでいるが
両生類か、、本当は、 違うんだよなとぼやいているのかもしれない。
(その3につづく)
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