口開けしままの埴輪や鳥雲に 金子敦
私は、埴輪を見ると不安になる。
奥の見えない空洞って、それだけで苦手なのだが、 埴輪の目と口の空洞は、過去に繋がっているような、
鳥雲に、という季語には、古巣へ帰るようなイメージがある。 渡り鳥が、雲間に消えた時の寂しいような気持ち。
作者は何処こへ帰りたいのだろうか。
陽炎の中に吾が影置いて来し 金子敦
実体はここにいて喋ったりしているけれど、
って、誰でもあるのではないか。
俯瞰している自分。この、幽体離脱感。とらえることのできない陽炎。そこに、
実体のないものに影を託す。
私は、なぜか逆に、
金子さんの句は、よく拝見しています。 普段はもっと、砂糖菓子を感じるsweetの甘さ。
優しい句が多く、読むとホッとします。
今回は、キラキラした砂糖菓子の甘さを、
あまい、という言葉には、何種類か意味があります。 味があまい。考えがあまい。コースがあまい。甘い関係。など。
「あまい!」という題に、これらの句。なにか、深い意味があるような気がしました。
※『あまい!!!』より山田 耕司を読む ~青山 酔鳴~はこちら
☆久才透子(きゅうさい・とうこ 俳句集団【itak】幹事 北舟)
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