第3回週俳十句競作・落選展 句評(4)の2 渡辺とうふ
高畠葉子さんの10句
題が失職日となっています いい題ですね
僕が心惹かれた句をあげてみます
八歳の私がみえて雪眼鏡
淡雪を舌にのせてる失職日
あうあうと終いの冬を食べている
この3句と他の句と比べてみると
この3句には高畠さんご本人のお人柄・想い・ 体温がよくのっている
という印象があります
他の句は高畠さんの外側にある情景を的確に描写しようとしている 句となっています
そしてそのことから来るのでしょう
この3句はやわらかな無理のない作りになっています
・「八歳の私」という個人的な想いの素直さ
・淡雪を舌に「のせてる」という普段着の言い方
・「あうあう」というユニークな表現( のせてるという言い方をよしとしているので、 食べているを食べてます、でもいいかもです)
他の句では、「寒夜かな」「生き辛き」「音姦しや春立ちぬ」「
のようにいわゆる俳句的な堅苦しい言い方が目立って気にかかりま す
これらの言い方を使わない、普段着の文体で、 高畠さんの私的な事柄・想いに密着した句を
もっと読んでみたいと僕は思います
もしかしたら失職という出来事だけで100句つくることもできる のではないでしょうか
ぜひ読んでみたいなあとおもいます
0 件のコメント:
コメントを投稿